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第25話「何があったとしても」
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晃さんと会ったこと、晃さんから言われたことを雪人さんに言おうか迷っていた。
だけど、晃さんと会った日から暫くの間、何事も起こらなかったので、私は晃さんが本当に何かをしようとするわけじゃない、ただ、るりかさんのことで苛立ってあんな風に私に言ったんだろうと思い始めて、雪人さんにもよけいなことは言わない方がいいと思い、結局、雪人さんにはずっと何も言わないでいた。
だけど、事件は突然、起きた。
それは土曜日にまた雪人さんの自宅に泊まり、日曜日も夜遅くまで雪人さんと一緒にいて、幸せな気持ちでいられた次の日のことだった。
私が会社に行くと何だかいつもより、やけにざわついていた。
何かあったのかな?
私がそんな風に思っていると、
「野中さん」
と少し青ざめた感じの表情で長谷さんがやって来た。
「おはよう、長谷さん。ところで何かやけに騒がしいけど何かあったのかな」
私がそう言うと長谷さんは、ちょっと来てと私を手招きして、自分の席まで私を連れて行き、そして、長谷さんが職場で使っているノートパソコンの画面を見てと言ったので、私は長谷さんのパソコンを覗いた。
「!」
そこにはメールの画面が映っていて、メールには、
“野中美春は可哀想な境遇の女性の彼氏を奪い、その彼女を自殺未遂にまで追い込んだ張本人だ”
と書かれていた。
「!」
何これ?
私は思わず驚いた表情で長谷さんの方を見た。
「勿論、私は野中さんがそんなことする人じゃないって信じてるよ。でも、このメール、結構、たくさんのこの会社の人達にランダムで送られているみたいで」
そんな一体、誰が?
そう思った時、私は、はっとした。
まさか、晃さんがと思って。
だけど、こんな酷いことまでするんだろうか。
私がそう思っていると、
「野中さん」
と雪人さんが現れた。
職場ではまだ皆の手前、お互いに名字で呼んでいた。
「倉崎さん」
「ちょっと話があるんだ。いいかな」
雪人さんにそう言われて、私は長谷さんの方を見た。
「うん、いいよ。行ってきて」
長谷さんがそう言ってくれたので、私は雪人さんと一緒に事務所を出ていった。
雪人さんは私を普段はあまり人気のない構内の特別ミーティングルームの前に連れていった。
「野中さん、メール読んだんだよな」
「はい、さっき長谷さんが見せてくれました」
「正直、言って、信じたくはないけど、あのメール晃かもしれない」
雪人さんは辛そうにそう言った。
「倉崎さん」
だから、私はもう正直に晃さんと会ったこと、言われたことを雪人さんに伝えた。
「やっぱりな、美春、本当にごめん」
今は他に誰もいないからか雪人さんは今度は私のことを下の名前で呼び、私を抱きしめた。
「雪人さん」
だから、私も下の名前で呼んだ。
「大丈夫、俺があいつとちゃんと話するから」
「雪人さん」
「後、職場の奴らにもし何か言われたら俺に言って。ちゃんと説明するから」
雪人さんはそう言った後、ますます強く私を抱きしめた。
私はこの時、雪人さんがこうして私を強く守ろうとしてくれているんだということが解って、やっぱり、少しは不安だけど、何があったとしても、雪人さんと一緒なら、大丈夫だと思えるから、雪人さんと一緒にいよう。
そう思っていた。
だけど、晃さんと会った日から暫くの間、何事も起こらなかったので、私は晃さんが本当に何かをしようとするわけじゃない、ただ、るりかさんのことで苛立ってあんな風に私に言ったんだろうと思い始めて、雪人さんにもよけいなことは言わない方がいいと思い、結局、雪人さんにはずっと何も言わないでいた。
だけど、事件は突然、起きた。
それは土曜日にまた雪人さんの自宅に泊まり、日曜日も夜遅くまで雪人さんと一緒にいて、幸せな気持ちでいられた次の日のことだった。
私が会社に行くと何だかいつもより、やけにざわついていた。
何かあったのかな?
私がそんな風に思っていると、
「野中さん」
と少し青ざめた感じの表情で長谷さんがやって来た。
「おはよう、長谷さん。ところで何かやけに騒がしいけど何かあったのかな」
私がそう言うと長谷さんは、ちょっと来てと私を手招きして、自分の席まで私を連れて行き、そして、長谷さんが職場で使っているノートパソコンの画面を見てと言ったので、私は長谷さんのパソコンを覗いた。
「!」
そこにはメールの画面が映っていて、メールには、
“野中美春は可哀想な境遇の女性の彼氏を奪い、その彼女を自殺未遂にまで追い込んだ張本人だ”
と書かれていた。
「!」
何これ?
私は思わず驚いた表情で長谷さんの方を見た。
「勿論、私は野中さんがそんなことする人じゃないって信じてるよ。でも、このメール、結構、たくさんのこの会社の人達にランダムで送られているみたいで」
そんな一体、誰が?
そう思った時、私は、はっとした。
まさか、晃さんがと思って。
だけど、こんな酷いことまでするんだろうか。
私がそう思っていると、
「野中さん」
と雪人さんが現れた。
職場ではまだ皆の手前、お互いに名字で呼んでいた。
「倉崎さん」
「ちょっと話があるんだ。いいかな」
雪人さんにそう言われて、私は長谷さんの方を見た。
「うん、いいよ。行ってきて」
長谷さんがそう言ってくれたので、私は雪人さんと一緒に事務所を出ていった。
雪人さんは私を普段はあまり人気のない構内の特別ミーティングルームの前に連れていった。
「野中さん、メール読んだんだよな」
「はい、さっき長谷さんが見せてくれました」
「正直、言って、信じたくはないけど、あのメール晃かもしれない」
雪人さんは辛そうにそう言った。
「倉崎さん」
だから、私はもう正直に晃さんと会ったこと、言われたことを雪人さんに伝えた。
「やっぱりな、美春、本当にごめん」
今は他に誰もいないからか雪人さんは今度は私のことを下の名前で呼び、私を抱きしめた。
「雪人さん」
だから、私も下の名前で呼んだ。
「大丈夫、俺があいつとちゃんと話するから」
「雪人さん」
「後、職場の奴らにもし何か言われたら俺に言って。ちゃんと説明するから」
雪人さんはそう言った後、ますます強く私を抱きしめた。
私はこの時、雪人さんがこうして私を強く守ろうとしてくれているんだということが解って、やっぱり、少しは不安だけど、何があったとしても、雪人さんと一緒なら、大丈夫だと思えるから、雪人さんと一緒にいよう。
そう思っていた。
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