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第12話「やっぱり特別な人」
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会社を出てから、私と倉崎さんはイタリアンを食べに行くことにした。
丁度、会社の近くに美味しいと評判のイタリアンのお店があって、私がそのお店のことを話したら、倉崎さんはそのお店のことを知らなかったらしく、それなら、そのお店に行こうということになったから。
そのお店は会社から歩いて5分くらいの所にあった。
美味しいと評判だけあって、17時から夜の部が開くそのお店はすでにもう18時近くになっている時間の今はすでに順番待ちしている人が外までいた。
「結構、並んでますね。どうします?」
私は念のため、倉崎さんに聞いた。
私は割とこういうお店では並んでも平気な方だけど、中には並んでまでそのお店で食べなくてもいいという人もいるから。
「ん? 別に大丈夫だよ。今日は用事ないし、せっかく来たし」
倉崎さんがそう言ったので、私達は外で並んでいる人の一番後ろに並んだ。
並んでいる間、私はこの後のことを思うと緊張ししていたけど、でも、倉崎さんが色々と話しかけてくれるので、自然とわりと砕けた会話ができていた。
だけど―。
倉崎さんのスマートフォンの電話が鳴って、倉崎さんが着信画面を見て、少し迷った表情をしてから、
「ごめん、ちょっと出てもいい?」
と言い、私が勿論ですと答えると、倉崎さんはすぐに電話に出て、私にちょっとごめんと手でジェスチャーをして、列とは少し離れた場所で電話をして、私のところに戻ってきて、
「野中さん、ごめん。どうしても行かなくちゃいけない急用ができて。この埋め合わせは必ずするから」
と言ってきたので、私は、
「急用なら仕方ないです。私の方はいつでも大丈夫なんで気にしないで行ってください」
そう言い、倉崎さんは本当に申し訳なさそうな表情で、
「本当にごめん」
そう言い私のところから去っていってしまった。
だから、私は結局、倉崎さんに特別な人の存在のことを聞くことはできなかった。
でも、その日、私はせっかく来て、並んだんだからと1人でイタリアンのお店で食事をして帰ることにして、そのお店でペペロンチーノのパスタを食べて、家に帰るために電車の駅に向かっている途中で、倉崎さんとこの前、倉崎さんが一緒にいた小柄な女性がまた一緒にいるところを目撃した。
倉崎さんとその女性は楽しそうに笑いながら話していた。
私はその光景を見て、ああ、倉崎さんに聞くまでもなかったから、倉崎さんが今日、帰ってくれて良かったのかも。
だって、あの女性は倉崎さんの特別な人で間違いないって今、解ったから。
きっと倉崎さんが急用だって行って帰ったのはあの人のためだったはずだから。
そう思いながら、倉崎さんに見つからないように急ぎ足で駅まで向かった。
丁度、会社の近くに美味しいと評判のイタリアンのお店があって、私がそのお店のことを話したら、倉崎さんはそのお店のことを知らなかったらしく、それなら、そのお店に行こうということになったから。
そのお店は会社から歩いて5分くらいの所にあった。
美味しいと評判だけあって、17時から夜の部が開くそのお店はすでにもう18時近くになっている時間の今はすでに順番待ちしている人が外までいた。
「結構、並んでますね。どうします?」
私は念のため、倉崎さんに聞いた。
私は割とこういうお店では並んでも平気な方だけど、中には並んでまでそのお店で食べなくてもいいという人もいるから。
「ん? 別に大丈夫だよ。今日は用事ないし、せっかく来たし」
倉崎さんがそう言ったので、私達は外で並んでいる人の一番後ろに並んだ。
並んでいる間、私はこの後のことを思うと緊張ししていたけど、でも、倉崎さんが色々と話しかけてくれるので、自然とわりと砕けた会話ができていた。
だけど―。
倉崎さんのスマートフォンの電話が鳴って、倉崎さんが着信画面を見て、少し迷った表情をしてから、
「ごめん、ちょっと出てもいい?」
と言い、私が勿論ですと答えると、倉崎さんはすぐに電話に出て、私にちょっとごめんと手でジェスチャーをして、列とは少し離れた場所で電話をして、私のところに戻ってきて、
「野中さん、ごめん。どうしても行かなくちゃいけない急用ができて。この埋め合わせは必ずするから」
と言ってきたので、私は、
「急用なら仕方ないです。私の方はいつでも大丈夫なんで気にしないで行ってください」
そう言い、倉崎さんは本当に申し訳なさそうな表情で、
「本当にごめん」
そう言い私のところから去っていってしまった。
だから、私は結局、倉崎さんに特別な人の存在のことを聞くことはできなかった。
でも、その日、私はせっかく来て、並んだんだからと1人でイタリアンのお店で食事をして帰ることにして、そのお店でペペロンチーノのパスタを食べて、家に帰るために電車の駅に向かっている途中で、倉崎さんとこの前、倉崎さんが一緒にいた小柄な女性がまた一緒にいるところを目撃した。
倉崎さんとその女性は楽しそうに笑いながら話していた。
私はその光景を見て、ああ、倉崎さんに聞くまでもなかったから、倉崎さんが今日、帰ってくれて良かったのかも。
だって、あの女性は倉崎さんの特別な人で間違いないって今、解ったから。
きっと倉崎さんが急用だって行って帰ったのはあの人のためだったはずだから。
そう思いながら、倉崎さんに見つからないように急ぎ足で駅まで向かった。
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