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第6話「倉崎さんの過去」
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倉崎さんの素敵な笑顔を再び見て、ドキドキしてしまった日から、私はいつでも倉崎さんのそばにいたりするとドキドキするようになった。
「それは恋だね」
と昼休みに一緒に食堂で食べていた長谷さんに言われた。
長谷さんとはほぼ出勤している時は一緒に昼休みにご飯を食べるようになって、まだ短い期間だけど、長谷さんはサバサバしている性格だということが解り、私は割と何でも長谷さんに話すようになっていた。
また、長谷さんも色々なことを話してくれるようになっていた。
ちなみに長谷さんはショートカットで背も女性にしては高く顔は綺麗な顔立ちをしているけれど、雰囲気的には女性だけどカッコいいという形容詞が似合う感じで、見た目とサバサバしている性格は一致してるなと私は思っていた。
そして、私はもちろん、今ではそんな長谷さんが大好きだった。
「恋」
私が呆然とそう呟くと、
「別に学生じゃないんだから、そんなに自分の気持ちに対して驚くことはないんじゃない。あ、でも」
「でも?」
「相手が倉崎さんなんだよね」
「え、うん」
「うーん、私もちょっとした会話の流れの中で聞いただけなんだけど、でも、倉崎さんは野中さんのような純粋なタイプの人には合わないんじゃないかなと思って」
それは一体、どういう意味なんだろう。
私がそう思って、長谷さんに聞こうとしたら、長谷さんの方が先に、
「さっき言ったように私も本当にちょっと聞いただけなんだけどね、倉崎さんて基本的には人を信頼しない人みたいなの」
「え?」
「まあ、それは倉崎さんの過去が関係してるみたいなんだけどね。でも、明らかに素直な野中さんとは真逆の感じっぽいから、合わないんじゃないかなと思って。私は野中さんにはやっぱり、同じような真っ直ぐな性格の男性がいいと思うし、幸せになれると思うから」
「…………」
長谷さんは私のためにそう言ってくれるんだというのはよく解った。
だけど、長谷さんの私に対する想いとは逆に、私は長谷さんが言った、倉崎さんの過去という言葉が凄く気になってしまっていた。
もし、本当に倉崎さんが今、人を全然、信頼しないのだとしたら、だけど、それは過去に起きた出来事でだとしたら、一体、どんな出来事が倉崎さんをそうさせたのだろうと思って。
だって、私は仔猫に向けていたあの笑顔やこの間、私に向けてくれた笑顔を見る限りでは倉崎さんは人を全然信じない人だとは思えないから。
「それは恋だね」
と昼休みに一緒に食堂で食べていた長谷さんに言われた。
長谷さんとはほぼ出勤している時は一緒に昼休みにご飯を食べるようになって、まだ短い期間だけど、長谷さんはサバサバしている性格だということが解り、私は割と何でも長谷さんに話すようになっていた。
また、長谷さんも色々なことを話してくれるようになっていた。
ちなみに長谷さんはショートカットで背も女性にしては高く顔は綺麗な顔立ちをしているけれど、雰囲気的には女性だけどカッコいいという形容詞が似合う感じで、見た目とサバサバしている性格は一致してるなと私は思っていた。
そして、私はもちろん、今ではそんな長谷さんが大好きだった。
「恋」
私が呆然とそう呟くと、
「別に学生じゃないんだから、そんなに自分の気持ちに対して驚くことはないんじゃない。あ、でも」
「でも?」
「相手が倉崎さんなんだよね」
「え、うん」
「うーん、私もちょっとした会話の流れの中で聞いただけなんだけど、でも、倉崎さんは野中さんのような純粋なタイプの人には合わないんじゃないかなと思って」
それは一体、どういう意味なんだろう。
私がそう思って、長谷さんに聞こうとしたら、長谷さんの方が先に、
「さっき言ったように私も本当にちょっと聞いただけなんだけどね、倉崎さんて基本的には人を信頼しない人みたいなの」
「え?」
「まあ、それは倉崎さんの過去が関係してるみたいなんだけどね。でも、明らかに素直な野中さんとは真逆の感じっぽいから、合わないんじゃないかなと思って。私は野中さんにはやっぱり、同じような真っ直ぐな性格の男性がいいと思うし、幸せになれると思うから」
「…………」
長谷さんは私のためにそう言ってくれるんだというのはよく解った。
だけど、長谷さんの私に対する想いとは逆に、私は長谷さんが言った、倉崎さんの過去という言葉が凄く気になってしまっていた。
もし、本当に倉崎さんが今、人を全然、信頼しないのだとしたら、だけど、それは過去に起きた出来事でだとしたら、一体、どんな出来事が倉崎さんをそうさせたのだろうと思って。
だって、私は仔猫に向けていたあの笑顔やこの間、私に向けてくれた笑顔を見る限りでは倉崎さんは人を全然信じない人だとは思えないから。
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