65 / 78
番外編(読切り)
「ずっとあなたがいてくれるから」ーside 綾香ー
しおりを挟む
涼一と彼氏と彼女の関係になってから、お互いに会える日は絶対に会うようになった。
また、彼氏と彼女の関係になる前より、涼一は私をぎゅっとしてくれるようになった。
勿論、彼氏と彼女の関係になったんだから、当然、そうなるのかもしれないけど。
でも、私は凄く嬉しい。
そして、日曜日のお昼過ぎの現在(いま)も、私と涼一は涼一の部屋で一緒にいた。
涼一は私のことを後ろからぎゅっと抱きしめてくれていて、私達はDVDで映画を見ていた。
今日は2人でミステリータッチな映画を見ている。
涼一は私に合わせて恋愛ものも見てはくれるけど、やっぱり、男子だからか、あんまり恋愛ものは好きじゃないみたいだし……。
だから、私も涼一もわりとミステリーものは好きだから、一昨日、学校帰りに私達の家の最寄りの駅の近くになるCDとDVDのレンタル屋さんに寄って、借りてきた。
レンタル期間は旧作だから、1週間だから、日曜日、ゆっくり一緒に見れるねって言いながら。
でも、やっぱり、ミステリーだから、幸せな結末になるわけじゃなくて……。
特に今回、見た映画の結末はミステリーの中でもかなり切なくて悲しいもので……。
私は映画を見終わってから、自然に涼一の方に身体を向けて、今度は私が涼一に抱きついた。
「綾香? どうした?」
涼一はそう言いながらも私のことをすぐに抱きしめ返してくれた。
「うん、この映画、ラスト、かなり悲しかったから、私まで悲しくなっちゃった」
そう言うと涼一が私を抱きしめる力が少し強くなった。
そして、その後、涼一は私に優しいキスをした。
それから、その後、私の頭も優しく撫でてくれた。
「そっか。だったら、今度からは一緒に見る時は幸せな結末になりそうなものにしようか。俺は綾香が笑ってくれているのが好きだから」
「涼一……」
「後さ、今はもうだいぶ減ったと思うけど、綾香への嫌がらせとかない?」
涼一の言葉に私はすぐにコクンと頷いた。
「うん、大丈夫だよ。涼一が盛大に体育館でプロポーズしてくれてからは、殆どなくなったし、今は本当にないよ」
私がそう言うと涼一は、ほっとしたような顔を見せた。
そして、その後、ますます私を強く抱きしめた。
「良かった。でも、もし、何かあったら、すぐに言えよ」
「うん」
「でも、中学生の頃から、かなり俺のせいで嫌な思いしてきただろ? 本当にごめんな」
涼一の言葉に私は今度は首を左右に振った。
「何で涼一が謝るの? 涼一、カッコいいから、モテるの解るし、皆が涼一と仲良くしたいって気持ちも解ってたし。勿論、色々、嫌がらせされたのは辛くなかったと言えば嘘になるけど、でも、いつも涼一私の傍にいてくれたし、いつも守ってくれてたから、落ちこむことはあっても、そんなに時間がかからずに元気になれたんだよ。それは勿論、今もだけど」
「綾香……」
「ただ、彼氏と彼女の関係になれるまでは、涼一に好きな人いるのかなとか、彼女できちゃうかなとか、そっちのことでは凄く切なくなっちゃってたけど」
「そっか……でも、それは俺も同じだよ。でも、何回も言ってるけど、俺、綾香以外のこと幼い頃から、1度も好きになったことないから」
「それは私も同じだよ」
私がそう言った後、私達は見つめ合って、少しだけ笑いあった後、今度は長いキスをした。
「でも、綾香、これからも俺、綾香以外のことは好きにはならないから、もうずっと俺と一生、一緒にいる覚悟、本当にしておいてくれよな」
「うん、それは私からも涼一に言いたいことだよ」
私がそう言うと涼一はまた私をぎゅううっと強く抱きしめて、
「今の俺達からしたら、何年後かのことになっちゃうけど、それに綾香は前、俺達2人だけで挙げた結婚式も本物だよって言ってくれたけど、でも、本当に今度は絶対に本物の結婚式挙げような。そして、一生、一緒にいて、誰からも羨ましがられるような夫婦になろう」
そう言ってくれた。
END
また、彼氏と彼女の関係になる前より、涼一は私をぎゅっとしてくれるようになった。
勿論、彼氏と彼女の関係になったんだから、当然、そうなるのかもしれないけど。
でも、私は凄く嬉しい。
そして、日曜日のお昼過ぎの現在(いま)も、私と涼一は涼一の部屋で一緒にいた。
涼一は私のことを後ろからぎゅっと抱きしめてくれていて、私達はDVDで映画を見ていた。
今日は2人でミステリータッチな映画を見ている。
涼一は私に合わせて恋愛ものも見てはくれるけど、やっぱり、男子だからか、あんまり恋愛ものは好きじゃないみたいだし……。
だから、私も涼一もわりとミステリーものは好きだから、一昨日、学校帰りに私達の家の最寄りの駅の近くになるCDとDVDのレンタル屋さんに寄って、借りてきた。
レンタル期間は旧作だから、1週間だから、日曜日、ゆっくり一緒に見れるねって言いながら。
でも、やっぱり、ミステリーだから、幸せな結末になるわけじゃなくて……。
特に今回、見た映画の結末はミステリーの中でもかなり切なくて悲しいもので……。
私は映画を見終わってから、自然に涼一の方に身体を向けて、今度は私が涼一に抱きついた。
「綾香? どうした?」
涼一はそう言いながらも私のことをすぐに抱きしめ返してくれた。
「うん、この映画、ラスト、かなり悲しかったから、私まで悲しくなっちゃった」
そう言うと涼一が私を抱きしめる力が少し強くなった。
そして、その後、涼一は私に優しいキスをした。
それから、その後、私の頭も優しく撫でてくれた。
「そっか。だったら、今度からは一緒に見る時は幸せな結末になりそうなものにしようか。俺は綾香が笑ってくれているのが好きだから」
「涼一……」
「後さ、今はもうだいぶ減ったと思うけど、綾香への嫌がらせとかない?」
涼一の言葉に私はすぐにコクンと頷いた。
「うん、大丈夫だよ。涼一が盛大に体育館でプロポーズしてくれてからは、殆どなくなったし、今は本当にないよ」
私がそう言うと涼一は、ほっとしたような顔を見せた。
そして、その後、ますます私を強く抱きしめた。
「良かった。でも、もし、何かあったら、すぐに言えよ」
「うん」
「でも、中学生の頃から、かなり俺のせいで嫌な思いしてきただろ? 本当にごめんな」
涼一の言葉に私は今度は首を左右に振った。
「何で涼一が謝るの? 涼一、カッコいいから、モテるの解るし、皆が涼一と仲良くしたいって気持ちも解ってたし。勿論、色々、嫌がらせされたのは辛くなかったと言えば嘘になるけど、でも、いつも涼一私の傍にいてくれたし、いつも守ってくれてたから、落ちこむことはあっても、そんなに時間がかからずに元気になれたんだよ。それは勿論、今もだけど」
「綾香……」
「ただ、彼氏と彼女の関係になれるまでは、涼一に好きな人いるのかなとか、彼女できちゃうかなとか、そっちのことでは凄く切なくなっちゃってたけど」
「そっか……でも、それは俺も同じだよ。でも、何回も言ってるけど、俺、綾香以外のこと幼い頃から、1度も好きになったことないから」
「それは私も同じだよ」
私がそう言った後、私達は見つめ合って、少しだけ笑いあった後、今度は長いキスをした。
「でも、綾香、これからも俺、綾香以外のことは好きにはならないから、もうずっと俺と一生、一緒にいる覚悟、本当にしておいてくれよな」
「うん、それは私からも涼一に言いたいことだよ」
私がそう言うと涼一はまた私をぎゅううっと強く抱きしめて、
「今の俺達からしたら、何年後かのことになっちゃうけど、それに綾香は前、俺達2人だけで挙げた結婚式も本物だよって言ってくれたけど、でも、本当に今度は絶対に本物の結婚式挙げような。そして、一生、一緒にいて、誰からも羨ましがられるような夫婦になろう」
そう言ってくれた。
END
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる