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番外編「俺の恋愛事情」ーsideー実
第2話「親友を好きな人」
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俺が広瀬を家まで送っていった次の日の1時間目が終わって休み時間に入ってすぐだった。
「実、お前に用事があるって子が来てるぞ」
教室から出て行こうとしていた涼一が言った。
涼一はサッカー部の先輩に渡すものがあるらしく、今、その先輩のところへ向かうところだった。
だから、俺は今、相田と白野と3人で固まっていた。
「え? 誰?」
俺がそう言うと広瀬が教室の入口から顔を覗かせた。
あ、広瀬……。
「ああ、誰か解った。涼一、サンキュ」
俺がそう言うと涼一は手を上にあげて、ひらひらさせた後、先輩のところへ向かった。
「どうしたの?」
俺は広瀬のところに行き、そう言った後、広瀬が赤くなっていることに気づいた。
あ、そういえば広瀬は涼一のことが好きなんだっけ。
クラスも違うし、広瀬は俺達とは中学も違うから、今、初めて話せて、赤くなってるのかな。
俺はそう思った。
でも、そう思った後、何だか少しだけ胸がモヤッとした。
「あ、昨日はありがとう。凄く助かったよ。後、上野くん、昨日、これ私の家の前で落としたみたいだから」
広瀬はそう言い、俺に青いハンカチを差し出した。
それは昨日、確かに制服のズボンのポケットに入れておいたものだった。
でも、俺は今日、新しいハンカチをポケットに入れたものの落としたことを気づいていなかった。
というか俺はわりと性格が大雑把だったりするから、気にしてなかったという方が正しいんだけど。
それでたまに母さんに怒られることもあるけど。
「昨日、慌てて洗ったんだけど、アイロンをしっかりかけたから、ちゃんと乾いてると思う」
「え? 洗ってくれたの?」
「うん、だって、私のことおぶってくれて、家まで送ってもらったから……」
「そんなの良かったのに。でも、ありがとう」
俺がそう言うと、
「ううん、私の方こそ、本当にありがとう」
広瀬はそう言った後、頭を下げて、それから自分の教室の方へと帰っていった。
「誰? 彼女?」
俺が相田と白野がいるところに戻ると白野がからかうように言った。
「バカ、そんなんじゃねえよ」
「えー、ここから少し2人のこと見てたけど何かいい雰囲気に見えたけどな」
白野がまだからかうように言った。
「バーカ。広瀬は他に好きな人が……」
俺はそう言いかけて、はっとして、その後、俺のバカ。広瀬に好きな人がいることなんて黙っておけよ。
しかも広瀬の好きな人は涼一なんだから。
そう自分を心の中で叱咤した。
「ごめん、何でもないよ。でも、本当に今の子とは別に何でもないから」
俺はそう言った後、2人から離れてもう自分の席に戻った。
何だか今は誰とも話したくない気分だったから。
涼一のことを好きな奴なんて、中学生の頃からは沢山、見てきた。
そして、その子達に対して、涼一には絶対的な存在の相田がいるから、早く諦めて他の奴を好きになればいいのにとも思ってきた。
だけど……。
何だろう。広瀬に対しては簡単にそんな風には思えない。
勿論、広瀬の恋を応援することはできないけど。
後、何だかさっきから胸がモヤモヤするのは一体、どうしてだろう。
俺は自分の席で休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴るまで、そう思っていた。
「実、お前に用事があるって子が来てるぞ」
教室から出て行こうとしていた涼一が言った。
涼一はサッカー部の先輩に渡すものがあるらしく、今、その先輩のところへ向かうところだった。
だから、俺は今、相田と白野と3人で固まっていた。
「え? 誰?」
俺がそう言うと広瀬が教室の入口から顔を覗かせた。
あ、広瀬……。
「ああ、誰か解った。涼一、サンキュ」
俺がそう言うと涼一は手を上にあげて、ひらひらさせた後、先輩のところへ向かった。
「どうしたの?」
俺は広瀬のところに行き、そう言った後、広瀬が赤くなっていることに気づいた。
あ、そういえば広瀬は涼一のことが好きなんだっけ。
クラスも違うし、広瀬は俺達とは中学も違うから、今、初めて話せて、赤くなってるのかな。
俺はそう思った。
でも、そう思った後、何だか少しだけ胸がモヤッとした。
「あ、昨日はありがとう。凄く助かったよ。後、上野くん、昨日、これ私の家の前で落としたみたいだから」
広瀬はそう言い、俺に青いハンカチを差し出した。
それは昨日、確かに制服のズボンのポケットに入れておいたものだった。
でも、俺は今日、新しいハンカチをポケットに入れたものの落としたことを気づいていなかった。
というか俺はわりと性格が大雑把だったりするから、気にしてなかったという方が正しいんだけど。
それでたまに母さんに怒られることもあるけど。
「昨日、慌てて洗ったんだけど、アイロンをしっかりかけたから、ちゃんと乾いてると思う」
「え? 洗ってくれたの?」
「うん、だって、私のことおぶってくれて、家まで送ってもらったから……」
「そんなの良かったのに。でも、ありがとう」
俺がそう言うと、
「ううん、私の方こそ、本当にありがとう」
広瀬はそう言った後、頭を下げて、それから自分の教室の方へと帰っていった。
「誰? 彼女?」
俺が相田と白野がいるところに戻ると白野がからかうように言った。
「バカ、そんなんじゃねえよ」
「えー、ここから少し2人のこと見てたけど何かいい雰囲気に見えたけどな」
白野がまだからかうように言った。
「バーカ。広瀬は他に好きな人が……」
俺はそう言いかけて、はっとして、その後、俺のバカ。広瀬に好きな人がいることなんて黙っておけよ。
しかも広瀬の好きな人は涼一なんだから。
そう自分を心の中で叱咤した。
「ごめん、何でもないよ。でも、本当に今の子とは別に何でもないから」
俺はそう言った後、2人から離れてもう自分の席に戻った。
何だか今は誰とも話したくない気分だったから。
涼一のことを好きな奴なんて、中学生の頃からは沢山、見てきた。
そして、その子達に対して、涼一には絶対的な存在の相田がいるから、早く諦めて他の奴を好きになればいいのにとも思ってきた。
だけど……。
何だろう。広瀬に対しては簡単にそんな風には思えない。
勿論、広瀬の恋を応援することはできないけど。
後、何だかさっきから胸がモヤモヤするのは一体、どうしてだろう。
俺は自分の席で休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴るまで、そう思っていた。
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