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第41話「終わらないトラブル」
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俺がもう今日はこれ以上、話はできないかなと思い、もう自分の家に帰ろうと綾香から離れようとした時、綾香が俺の方を向いて、今度は綾香から抱きついてきた。
「綾香」
だから、俺は驚いたけど綾香の名前を呼んで、綾香を今度は正面から、もう一度抱きしめ直した。
すると綾香は震えた声で、
「ごめんね。涼一、気を遣わせて。でも、やっぱり、もう涼一が他の人と無理矢理にでもキスするのとかは嫌だよ」
そう言ったから、俺はまた堪らなくなり、更に綾香を強く抱きしめた。
そして、
「うん、本当にごめん。でも、綾香、俺と一緒にいると辛くない?」
そう聞いた。
すると綾香は首を左右に振って、
「辛いわけないよ。涼一と一緒にいることは凄く幸せなことだよ」
そう言ってくれた。そして、その後、綾香は俺にキスをしてきた。
だから、俺は驚いて綾香を見た。すると綾香は、
「違う人にキスされちゃったから、ちゃんと上書きしとかないとと思って」
俺の好きな笑顔でそう言ったから、俺の理性はこんな時だというのにぷつんと切れて、綾香に何度もキスをしてしまった。
だけど、綾香は全然、嫌がらずにそのキスを受け入れてくれて、そして、その後はもういつもの俺達に戻っていた。
だから、俺は単純だけど、綾香の家から帰る頃には、今日の大半を占めていたといってもいいくらいのブルーな気持ちはすっかり消えて幸せな気持ちで満たされていた。
このまま綾香と一緒にいても傷つけるだけじゃないだろうかという想いはすっかり何処かへ飛んでしまったくらいに。
次の日、俺がいつもどおりに綾香と手を繋いで教室に入ると、
「何だ、やっぱり里川の本命は相田か~」
と男子の誰かが言った。だから俺は、
「あたり前だろ。昨日の写真のキスは無理矢理されたんだよ。キスしてきた奴にも腹が立つけど、あの写真を撮って掲示板に貼った奴が一番ムカつくわ。まあ、綾香の純粋さに免じて犯人捜しはしないでやるけど」
そう言った。
するとクラスの皆から相変わらずお熱いねとかいう声が飛んだ。
そして、またいつもどおりの日常が始まった―はずだった。
だけど、今度は昼休みに俺達のところに俺に用事があると言って来た1年6組の井田と名乗った男子に綾香が俺の目の前でキスされてしまった。
「綾香」
だから、俺は驚いたけど綾香の名前を呼んで、綾香を今度は正面から、もう一度抱きしめ直した。
すると綾香は震えた声で、
「ごめんね。涼一、気を遣わせて。でも、やっぱり、もう涼一が他の人と無理矢理にでもキスするのとかは嫌だよ」
そう言ったから、俺はまた堪らなくなり、更に綾香を強く抱きしめた。
そして、
「うん、本当にごめん。でも、綾香、俺と一緒にいると辛くない?」
そう聞いた。
すると綾香は首を左右に振って、
「辛いわけないよ。涼一と一緒にいることは凄く幸せなことだよ」
そう言ってくれた。そして、その後、綾香は俺にキスをしてきた。
だから、俺は驚いて綾香を見た。すると綾香は、
「違う人にキスされちゃったから、ちゃんと上書きしとかないとと思って」
俺の好きな笑顔でそう言ったから、俺の理性はこんな時だというのにぷつんと切れて、綾香に何度もキスをしてしまった。
だけど、綾香は全然、嫌がらずにそのキスを受け入れてくれて、そして、その後はもういつもの俺達に戻っていた。
だから、俺は単純だけど、綾香の家から帰る頃には、今日の大半を占めていたといってもいいくらいのブルーな気持ちはすっかり消えて幸せな気持ちで満たされていた。
このまま綾香と一緒にいても傷つけるだけじゃないだろうかという想いはすっかり何処かへ飛んでしまったくらいに。
次の日、俺がいつもどおりに綾香と手を繋いで教室に入ると、
「何だ、やっぱり里川の本命は相田か~」
と男子の誰かが言った。だから俺は、
「あたり前だろ。昨日の写真のキスは無理矢理されたんだよ。キスしてきた奴にも腹が立つけど、あの写真を撮って掲示板に貼った奴が一番ムカつくわ。まあ、綾香の純粋さに免じて犯人捜しはしないでやるけど」
そう言った。
するとクラスの皆から相変わらずお熱いねとかいう声が飛んだ。
そして、またいつもどおりの日常が始まった―はずだった。
だけど、今度は昼休みに俺達のところに俺に用事があると言って来た1年6組の井田と名乗った男子に綾香が俺の目の前でキスされてしまった。
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