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第16話「綾香の本音」
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綾香を保健室に連れて行き、俺はまた教室に戻り、いつも通りに授業を受けた。
そして、白野が2時間目が終わって、保健室に綾香の様子を見に行ってくれて、もう起きてるし、大丈夫そうだよと言ったので、俺は3時間目の授業が終わるとすぐに保健室に綾香の様子を見に行った。
俺が保健室に行くと綾香はまだベッドに寝ていたけど目は覚ましていた。
「綾香」
「涼一」
綾香は上半身を起こした。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう。ごめんね。涼一がここに運んでくれたんでしょう? 広美が教えてくれたの」
「そんなことは全然いいけど、もう平気か?」
「うん……」
「でも、やっぱり調子悪かったんだろ?」
「別に身体は何処も悪くないみたいだから、神経的なものだと思うわよ」
保健室の立川先生が言った。
立川先生は女性でスラッとした体形で、顔もそこそこ美人な先生で、男子からダントツに人気がある。
性格はサバサバしていて、どちらかというと俺は男っぽいとは思うけど、俺も立川先生のことは好きだった。
「え? そうなのか? 綾香、何かあった?」
「……私はお邪魔だろうから、ちょっと出てくるわね」
そう言い立川先生は保健室から出て行った。
俺はこの時、立川先生は気も遣ってくれる本当にいい先生なんだなと思った。
でも、すぐに俺は綾香の方を見て、
「綾香、良かったら聞かせて?」
そう優しい口調で言った。
すると綾香は少しだけ戸惑った顔をした後、話しだした。
「……うん、私ねこの高校に来て、勿論、楽しいよ。涼一も実くんも広美もいるし。でも」
「でも?」
「何か短期間で色んなことがありすぎて、少し前からあんまり眠れなくなってて……」
「そうなの?」
そして、俺は、そこで、はっとした。
そういえば。綾香は俺とゴタゴタした時は、まあ、別として、もう俺と元通りになって、2人でいる時も、元々、沢山、寝る方ではあるけど、俺と話している間に寝てしまうことが多かったなと思って。
まあ、それに確かに俺もだけど綾香にとったら、本当にこの高校に来てからというもの、色々なことが起こってるもんな。劇の出演や俺とゴタゴタしたことや、それに綾香が迫田に告白されたこととか。
これはまだ俺の中ではある意味、解決はしてないんだけど。まあ、今はそれは置いておこう。
俺はそんなことを思った後、
「だから、俺と一緒にいる時、わりとすぐに寝ちゃってたんだね」
綾香にそう言った。すると綾香は、
「うん、ごめんね。涼一の部屋で涼一と一緒にいると何だか安心して」
本当に申し訳なさそうに俺を見てそう言った。
いや……俺といると安心してくれるのは嬉しいんだけど。それってやっぱり男としては意識されてないってことなのかな。
俺は綾香を見ながらそう思って、また溜息を吐きたくなったけど、まあ、でも、こんな風になっている今の綾香に告白はしない方がいいよな。
きっと今の綾香は俺に癒しの場所を求めてるはずだから。
それに昔から綾香は凄く繊細な所があって、綾香にとって、辛いこととかが起きた後、中々、いつも通りの綾香に戻らない時もあるから。
そう思い綾香に、
「な、綾香、やっぱり日曜日はいいわ。話があるって言ったけど、本当にどうでもいいことだったから」
そう言った。
そして、俺は実にもう何て言われようと綾香の気持ちが新しい生活にちゃんと追いつくまでは今までどおり、綾香とは幼馴染の関係でいようと思っていた。
それに自分でその方が絶対にいいと思ったから。
そして、白野が2時間目が終わって、保健室に綾香の様子を見に行ってくれて、もう起きてるし、大丈夫そうだよと言ったので、俺は3時間目の授業が終わるとすぐに保健室に綾香の様子を見に行った。
俺が保健室に行くと綾香はまだベッドに寝ていたけど目は覚ましていた。
「綾香」
「涼一」
綾香は上半身を起こした。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう。ごめんね。涼一がここに運んでくれたんでしょう? 広美が教えてくれたの」
「そんなことは全然いいけど、もう平気か?」
「うん……」
「でも、やっぱり調子悪かったんだろ?」
「別に身体は何処も悪くないみたいだから、神経的なものだと思うわよ」
保健室の立川先生が言った。
立川先生は女性でスラッとした体形で、顔もそこそこ美人な先生で、男子からダントツに人気がある。
性格はサバサバしていて、どちらかというと俺は男っぽいとは思うけど、俺も立川先生のことは好きだった。
「え? そうなのか? 綾香、何かあった?」
「……私はお邪魔だろうから、ちょっと出てくるわね」
そう言い立川先生は保健室から出て行った。
俺はこの時、立川先生は気も遣ってくれる本当にいい先生なんだなと思った。
でも、すぐに俺は綾香の方を見て、
「綾香、良かったら聞かせて?」
そう優しい口調で言った。
すると綾香は少しだけ戸惑った顔をした後、話しだした。
「……うん、私ねこの高校に来て、勿論、楽しいよ。涼一も実くんも広美もいるし。でも」
「でも?」
「何か短期間で色んなことがありすぎて、少し前からあんまり眠れなくなってて……」
「そうなの?」
そして、俺は、そこで、はっとした。
そういえば。綾香は俺とゴタゴタした時は、まあ、別として、もう俺と元通りになって、2人でいる時も、元々、沢山、寝る方ではあるけど、俺と話している間に寝てしまうことが多かったなと思って。
まあ、それに確かに俺もだけど綾香にとったら、本当にこの高校に来てからというもの、色々なことが起こってるもんな。劇の出演や俺とゴタゴタしたことや、それに綾香が迫田に告白されたこととか。
これはまだ俺の中ではある意味、解決はしてないんだけど。まあ、今はそれは置いておこう。
俺はそんなことを思った後、
「だから、俺と一緒にいる時、わりとすぐに寝ちゃってたんだね」
綾香にそう言った。すると綾香は、
「うん、ごめんね。涼一の部屋で涼一と一緒にいると何だか安心して」
本当に申し訳なさそうに俺を見てそう言った。
いや……俺といると安心してくれるのは嬉しいんだけど。それってやっぱり男としては意識されてないってことなのかな。
俺は綾香を見ながらそう思って、また溜息を吐きたくなったけど、まあ、でも、こんな風になっている今の綾香に告白はしない方がいいよな。
きっと今の綾香は俺に癒しの場所を求めてるはずだから。
それに昔から綾香は凄く繊細な所があって、綾香にとって、辛いこととかが起きた後、中々、いつも通りの綾香に戻らない時もあるから。
そう思い綾香に、
「な、綾香、やっぱり日曜日はいいわ。話があるって言ったけど、本当にどうでもいいことだったから」
そう言った。
そして、俺は実にもう何て言われようと綾香の気持ちが新しい生活にちゃんと追いつくまでは今までどおり、綾香とは幼馴染の関係でいようと思っていた。
それに自分でその方が絶対にいいと思ったから。
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