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第12話「実からの提案」
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綾香は俺達の方を見て驚いた顔をしていた。
やばい。あの顔は完全に誤解してる。
俺はそう思って綾香と名前を呼ぼうとしたけど、綾香は身体の向きを変えて走って何処かへ行ってしまった。
「綾香」
だから、俺は慌てて、高山を引き離した。
そして、高山を睨みつけて、
「俺、いきなり自分勝手な理由でこういうことする奴大嫌いだから」
そう言い綾香が走っていったであろう方に俺も走っていった。
そして、数分後に俺は綾香を見つけた。
綾香は実といた。
実はバトミントン部に入っていて、さっき部活が終わったとこらしかった。
「綾香……」
俺が2人に近づいて綾香の名前を呼ぶと綾香は肩をぴくっと動かした。
「綾香、帰ろう」
俺がそう言うと実が俺を綾香から少し離れた所に連れて行き、綾香に背中を向けて、小声で、
「な、お前、さっき他のクラスの奴と抱きあってたんだってな? どういうことだよ?」
そう言われた。
あ、綾香が実にそう言ったのか。
まあ、大抵、動揺していた綾香を見つけて、実が何があったかを聞きだしたんだろうけど。
「誤解だよ。今日、昼休みに告白してきた奴が断ったのにさっき、つきあえないのは解ったけど、1度だけ抱きついてみたくてとか言って、俺が何かを言う暇もなく抱きついてきたんだよ。で、それが勢いよく抱きついてきたもんだから、俺、よろけそうになって、思わずあいつの背中に手を回してしまったんだよ。自分を支えるために」
「なるほど、で、偶然その場面を相田に見られたと」
「うん、多分、綾香は俺とあいつがそういう仲だって誤解したと思うんだ」
「で、走ってその場から逃げて、俺が見つけて声をかけて、俺が何か様子が変だなと思って、問いただしたら、お前と女の子が抱きあってたって言ったわけだな」
「そう! っていうか俺が綾香以外の奴と好きでそんなことするわけないじゃん」
俺がそう言うと、
「それはお前がそう思ってるんであって、相田はお前に好きだって言われたわけでもないんだから、そんな場面を見たら、まあ、誤解もするかもしれないだろ」
「それは……」
「なあ、里川、お前さ、もうそれだけ相田が好きならさ、そろそろ告白したらどうなんだよ?」
「え?」
「だって、今、誤解が解けたとしてもお前は多分、これから先もかなりモテるだろうし、そういった状況がこれから先も起こるかもしれないだろ? それにお前が女子と抱きあっているところを見て動揺してその場を立ち去るなんて、相田も絶対にお前のこと好きなはずだし」
「いや……綾香は多分、まだ恋とか知らないよ。というか解らないと思う」
「そんなことねぇよ。俺は小学生の時からお前ら2人のことをずっと見てきてるけど、絶対に相田もお前のこと好きだよ。だから、里川、本当にもう告白しろよ。そして、もう相田のこと悲しませるな」
実はそう言った後、じゃ、相田のところへ戻るぞと言い、俺達は綾香が立っている場所へと戻った。
そして、実は上手く俺がさっきあった状況のことを綾香に伝えてくれて、綾香はいつも通りになり、俺はこの日も無事、綾香と2人で帰ることができた。
でも、俺は実から告白しろよと言われたことが頭から離れなくなって、この日は中々、寝つけなかった。
やばい。あの顔は完全に誤解してる。
俺はそう思って綾香と名前を呼ぼうとしたけど、綾香は身体の向きを変えて走って何処かへ行ってしまった。
「綾香」
だから、俺は慌てて、高山を引き離した。
そして、高山を睨みつけて、
「俺、いきなり自分勝手な理由でこういうことする奴大嫌いだから」
そう言い綾香が走っていったであろう方に俺も走っていった。
そして、数分後に俺は綾香を見つけた。
綾香は実といた。
実はバトミントン部に入っていて、さっき部活が終わったとこらしかった。
「綾香……」
俺が2人に近づいて綾香の名前を呼ぶと綾香は肩をぴくっと動かした。
「綾香、帰ろう」
俺がそう言うと実が俺を綾香から少し離れた所に連れて行き、綾香に背中を向けて、小声で、
「な、お前、さっき他のクラスの奴と抱きあってたんだってな? どういうことだよ?」
そう言われた。
あ、綾香が実にそう言ったのか。
まあ、大抵、動揺していた綾香を見つけて、実が何があったかを聞きだしたんだろうけど。
「誤解だよ。今日、昼休みに告白してきた奴が断ったのにさっき、つきあえないのは解ったけど、1度だけ抱きついてみたくてとか言って、俺が何かを言う暇もなく抱きついてきたんだよ。で、それが勢いよく抱きついてきたもんだから、俺、よろけそうになって、思わずあいつの背中に手を回してしまったんだよ。自分を支えるために」
「なるほど、で、偶然その場面を相田に見られたと」
「うん、多分、綾香は俺とあいつがそういう仲だって誤解したと思うんだ」
「で、走ってその場から逃げて、俺が見つけて声をかけて、俺が何か様子が変だなと思って、問いただしたら、お前と女の子が抱きあってたって言ったわけだな」
「そう! っていうか俺が綾香以外の奴と好きでそんなことするわけないじゃん」
俺がそう言うと、
「それはお前がそう思ってるんであって、相田はお前に好きだって言われたわけでもないんだから、そんな場面を見たら、まあ、誤解もするかもしれないだろ」
「それは……」
「なあ、里川、お前さ、もうそれだけ相田が好きならさ、そろそろ告白したらどうなんだよ?」
「え?」
「だって、今、誤解が解けたとしてもお前は多分、これから先もかなりモテるだろうし、そういった状況がこれから先も起こるかもしれないだろ? それにお前が女子と抱きあっているところを見て動揺してその場を立ち去るなんて、相田も絶対にお前のこと好きなはずだし」
「いや……綾香は多分、まだ恋とか知らないよ。というか解らないと思う」
「そんなことねぇよ。俺は小学生の時からお前ら2人のことをずっと見てきてるけど、絶対に相田もお前のこと好きだよ。だから、里川、本当にもう告白しろよ。そして、もう相田のこと悲しませるな」
実はそう言った後、じゃ、相田のところへ戻るぞと言い、俺達は綾香が立っている場所へと戻った。
そして、実は上手く俺がさっきあった状況のことを綾香に伝えてくれて、綾香はいつも通りになり、俺はこの日も無事、綾香と2人で帰ることができた。
でも、俺は実から告白しろよと言われたことが頭から離れなくなって、この日は中々、寝つけなかった。
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