41 / 73
「君をいつか必ず幸せにするから」
しおりを挟む
大学で仲良くなった、理香が失恋したと言って、大学の授業を全部終えた頃に俺の所にやって来た。
今日はお互いに5時間授業だったけど、5時間目の授業だけはクラスが別々だったから。
理香がいつも一緒にいる友達の美由は水曜日の今日だけは3時間しか授業をとっていなくて、いつも先に帰る。
そして、それは俺がいつも一緒にいる友達の広人に関しても同じだった。
「失恋? お前、好きな奴いたの? まあ、話、聞いてやるよ。とりあえず、ハンバーガーでも食べにいく?」
俺のその言葉に理香はコクンと頷いて、俺達は大学の最寄りの駅の近くにあるハンバーガーショップに行くことにした。
「ところで、お前、誰に失恋したの?」
チーズバーガーを口にしながら、俺は聞いた。
水曜日という平日だけど、午後の6時過ぎということもあって、ハンバーガーショップの店内はかなり混んでいた。
俺達が席に座って、満席になったくらいだ。
「バイト先の健人くんて人」
「ああ、週3日、デパートのインテリア雑貨のとこでバイトしてたんだっけ」
「うん。そこにたまたま健人くんがいて、バイト始めた1年くらい前から、もう好きだったんだけど、結婚するんだって」
「え? 年上だったわけ?」
「ううん。同じ歳で、21歳。でも、健人くんて、バイトの人じゃなくて、正社員の人なの」
「ああ、社会人か」
「うん。昨日、本人から、結婚するんだって言われてね。凄いショックなんだ」
少し涙ぐみながら、理香が言う。
本当に好きなんだろうな。
俺は涙ぐんでいる理香を見ながら、思う。
でも、実は俺はそんな理香のことが好きだったりする。
気持ちなんて、伝えたことないけど。
「よし! 俺がいいものプレゼントしてやるから、元気出せ!!」
俺がそう言うと理香はきょとんとした顔をした。
ハンバーガーショップの店を出た俺は理香を連れて、ハンバーガーショップの店の近くにある花屋に行った。
そこで俺は、すずらんの花を買った。
そして、理香に手渡す。
「友雪、いいものって、すずらんのお花? 確かに可愛いけど、何で、すずらんのお花なの?」
店から少し離れた所で、理香が言った。
「すずらんの花言葉はな、幸福が訪れるっていうんだよ」
別に花に興味があるわけではないけれど、すずらんは俺の母さんが好きで、よく花言葉を口にしていたから、知っていて、さっき、たまたま思いついたのだった。
俺が花言葉を教えると理香は少しだけ驚いて、でも、すぐに明るい表情になった。
「そうなんだ」
「そっ。だから、次はきっと幸せなことが訪れるよ。それを楽しみに待っとけよ」
そう言うと理香は凄く喜んで、そして、本当に幸せな出来事が起こりそうな気がする、ありがとうと喜んで帰っていった。
俺はそんな理香を見ながら、いい男になって、理香に好きになってもらって、その花言葉どおりに、理香に幸福を訪れさせてやるからなと思っていた。
END
今日はお互いに5時間授業だったけど、5時間目の授業だけはクラスが別々だったから。
理香がいつも一緒にいる友達の美由は水曜日の今日だけは3時間しか授業をとっていなくて、いつも先に帰る。
そして、それは俺がいつも一緒にいる友達の広人に関しても同じだった。
「失恋? お前、好きな奴いたの? まあ、話、聞いてやるよ。とりあえず、ハンバーガーでも食べにいく?」
俺のその言葉に理香はコクンと頷いて、俺達は大学の最寄りの駅の近くにあるハンバーガーショップに行くことにした。
「ところで、お前、誰に失恋したの?」
チーズバーガーを口にしながら、俺は聞いた。
水曜日という平日だけど、午後の6時過ぎということもあって、ハンバーガーショップの店内はかなり混んでいた。
俺達が席に座って、満席になったくらいだ。
「バイト先の健人くんて人」
「ああ、週3日、デパートのインテリア雑貨のとこでバイトしてたんだっけ」
「うん。そこにたまたま健人くんがいて、バイト始めた1年くらい前から、もう好きだったんだけど、結婚するんだって」
「え? 年上だったわけ?」
「ううん。同じ歳で、21歳。でも、健人くんて、バイトの人じゃなくて、正社員の人なの」
「ああ、社会人か」
「うん。昨日、本人から、結婚するんだって言われてね。凄いショックなんだ」
少し涙ぐみながら、理香が言う。
本当に好きなんだろうな。
俺は涙ぐんでいる理香を見ながら、思う。
でも、実は俺はそんな理香のことが好きだったりする。
気持ちなんて、伝えたことないけど。
「よし! 俺がいいものプレゼントしてやるから、元気出せ!!」
俺がそう言うと理香はきょとんとした顔をした。
ハンバーガーショップの店を出た俺は理香を連れて、ハンバーガーショップの店の近くにある花屋に行った。
そこで俺は、すずらんの花を買った。
そして、理香に手渡す。
「友雪、いいものって、すずらんのお花? 確かに可愛いけど、何で、すずらんのお花なの?」
店から少し離れた所で、理香が言った。
「すずらんの花言葉はな、幸福が訪れるっていうんだよ」
別に花に興味があるわけではないけれど、すずらんは俺の母さんが好きで、よく花言葉を口にしていたから、知っていて、さっき、たまたま思いついたのだった。
俺が花言葉を教えると理香は少しだけ驚いて、でも、すぐに明るい表情になった。
「そうなんだ」
「そっ。だから、次はきっと幸せなことが訪れるよ。それを楽しみに待っとけよ」
そう言うと理香は凄く喜んで、そして、本当に幸せな出来事が起こりそうな気がする、ありがとうと喜んで帰っていった。
俺はそんな理香を見ながら、いい男になって、理香に好きになってもらって、その花言葉どおりに、理香に幸福を訪れさせてやるからなと思っていた。
END
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる