短い恋のお話

愛理

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「2人の運命」

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「ね、実、もしもね、この先、私と実が離れる運命だったらどうする?」
 日曜日の朝、私は彼氏の実の車でドライブをしている時にそう言った。
 私と実は幼馴染で、同じ歳で、今はお互いに24歳だった。
 大学まではずっと一緒で、会社は別々の所に就職した。
 恋人同士になったのは、お互いに社会人になってからだった。
 実がずっと好きだったと告白してくれた。
 私もずっと実のことが好きだったから凄く嬉しかった。
 私達は家がずっと隣同士で今もお互いに実家に住んでいる。
「何? ずっと俺、瑠奈に片思いしてて、やっとこうして恋人同士になったのにまた俺、片思いでもすんの?」
「そうじゃなくて、お互いに好きでたまらないのに離れなきゃいけない運命だったらってこと」
「どんな状況だよ」
「もしもの話だよ。もしも、離れなきゃ2人に災難が降りかかってくるとしたら実どうする?」
 私がそう言った後、実はふっと笑った。
 え? 何? やっぱり、もしもの話なんて馬鹿らしいとか思われてるのかな。
 私がそう思っていると、
「もしそんな状況になったとしても絶対に離れないに決まってるじゃん。それにどんな災難が降りかかってこようと俺はお前を守りながら、どんな災難でも困難でも乗り越えてみせるし、離れなきゃいけない運命なんだったら、俺の手でそうならないように運命だって変えてやるよ」
 実が力強い声でそう言った。
 私はそんな実にドキッとした。
「な、何か実、さらっと凄いこと言ってない?」
 だから、私は少し動揺してこんな言葉しか言えなかった。
 だって、まさか真面目にこんな風に答えてくれるなんて思ってなかったから。
「そうか? でも、本当のことだし。でもさ、だから、そんな、もしもとかの悪い仮説のことなんてもう2度と考えないで幸せの方の仮設を考えろよ。それで俺に運命を預けてろよ」
 そう言い実は信号待ちで車を停めた時に私に優しいキスをした。
 私はそのキスを受けとめながら、
 うん、私の運命、実に全て預けるよ。
 実がそう言ってくれるなら。
 だから、実、どうか、これからもずっとずっと一緒に私といてね。
 そして、運命を共にしてね。
 そう思っていた。
                                                           END
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