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トキオ ③
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俺はスピード違反しまくりで、5分で高橋モータースに到着する。警察に捕まらなくって本当によかった。
高橋モータースはいつもと同じように、シャッターが半分開いていて、中から明かりが漏れている。
俺はシャッターをくぐり中にはいる。
「おう。一宇。早かったな。」
鼻息荒く親父がソファーに座っている。
「あれ?男は?」
トキオの姿がない。逃げたのか?
「その衝立の後ろにいるよ。」
俺は、衝立の後ろを恐る恐る覗いてみる。確かに、若い男がそこでのびている。
「親父さん無茶するなよ~。」
俺は伸びている男の顔を確認する。こいつがトキオなら右の目の下にホクロが三つあるはずだ。
あった。ホクロが三つ。トキオに間違いない。
俺はヴァンパイアポリスに電話を掛ける。
ジュエリーショップの聞き込みの必要がなかったため、捜査官は全員ヴァンパイアポリスにいた。
俺からのトキオ確保の連絡に、全捜査官が高橋モータースに来ることになった。
「おじさん。翔也は?」
「あいつすっかりビビッて部屋から出てこねぇんだよ。いったい誰に誰に似たんだか。」
「親父さんじゃないのは確かだよ。」
「だよなぁ。アイツの母親は。俺の娘なんだけど優しい子だから。幸いに容姿もうちの嫁に似て可愛いからな。」
「それは良かったな。女の子で親父さんに似たんじゃ最悪だもんな~。」
「うるせ~よ。お前は、お前のばあちゃんに似てるよな。安芸さんっていったっけ?」
「親父さん、俺のばあちゃんに会ったことあるの?」
「勝也と一緒のところを見かけた事しかないけど、あいつ安芸さんが亡くなった後もいっつも写真持ち歩いて自慢してたからな。その写真に写った安芸さんとお前。目元が似てるよ。」
「何を言っている、、。お前のじいさんがしゃしゃり出てこなければ、白神さまはこんな事にならなかったんじゃないか。お前のじいさんの勝也も、お前も疫病神なんだよ!」
衝立の後ろから、目を覚ましたトキオが俺とパーツ屋の親父の会話に口をはさんでくる。
「なんだい兄ちゃん。起きたのかい。俺のことを言われるならいいけどよ。勝也は良い奴だったよ。お前みたいな小童に疫病神呼ばわりされるような男じゃねぇや。お前はもう少し寝てろ。」
衝立の後ろから、鈍い音がする。戻って来た親父と俺は、ヴァンパイアポリスの捜査官たちの到着を待った。
程なくヴァンパイアポリスの仲間たちが店の中に飛び込んで来た。
「一宇!あいつは!」
「その衝立の後ろでのびてるよ。」
捜査官が5人揃って、衝立の後ろをのぞき込みのびてるトキオを発見する。
トキオは、意識を失ったまま高木班長に担がれて連れていかれた。
このまま、司さんのところへ連れていく予定だと杉山さんが話してくれた。
「ご協力ありがとうございました。このお礼は後日あらためまして伺います。」
「じゃ、俺も一緒に行くよ。親父さんありがとう。翔也にもよろしく。」
「おう。またな、一宇。」
俺もヴァンパイアポリスメンバーと一緒に高橋モータースを後にする。
アヤメが俺の乗って来た車に乗り込んでくる。
「どういうことなのか、裁判所に就くまでに説明してもらうわよ。」
俺はアヤメを乗せて、裁判所への道を急いだ。
高橋モータースはいつもと同じように、シャッターが半分開いていて、中から明かりが漏れている。
俺はシャッターをくぐり中にはいる。
「おう。一宇。早かったな。」
鼻息荒く親父がソファーに座っている。
「あれ?男は?」
トキオの姿がない。逃げたのか?
「その衝立の後ろにいるよ。」
俺は、衝立の後ろを恐る恐る覗いてみる。確かに、若い男がそこでのびている。
「親父さん無茶するなよ~。」
俺は伸びている男の顔を確認する。こいつがトキオなら右の目の下にホクロが三つあるはずだ。
あった。ホクロが三つ。トキオに間違いない。
俺はヴァンパイアポリスに電話を掛ける。
ジュエリーショップの聞き込みの必要がなかったため、捜査官は全員ヴァンパイアポリスにいた。
俺からのトキオ確保の連絡に、全捜査官が高橋モータースに来ることになった。
「おじさん。翔也は?」
「あいつすっかりビビッて部屋から出てこねぇんだよ。いったい誰に誰に似たんだか。」
「親父さんじゃないのは確かだよ。」
「だよなぁ。アイツの母親は。俺の娘なんだけど優しい子だから。幸いに容姿もうちの嫁に似て可愛いからな。」
「それは良かったな。女の子で親父さんに似たんじゃ最悪だもんな~。」
「うるせ~よ。お前は、お前のばあちゃんに似てるよな。安芸さんっていったっけ?」
「親父さん、俺のばあちゃんに会ったことあるの?」
「勝也と一緒のところを見かけた事しかないけど、あいつ安芸さんが亡くなった後もいっつも写真持ち歩いて自慢してたからな。その写真に写った安芸さんとお前。目元が似てるよ。」
「何を言っている、、。お前のじいさんがしゃしゃり出てこなければ、白神さまはこんな事にならなかったんじゃないか。お前のじいさんの勝也も、お前も疫病神なんだよ!」
衝立の後ろから、目を覚ましたトキオが俺とパーツ屋の親父の会話に口をはさんでくる。
「なんだい兄ちゃん。起きたのかい。俺のことを言われるならいいけどよ。勝也は良い奴だったよ。お前みたいな小童に疫病神呼ばわりされるような男じゃねぇや。お前はもう少し寝てろ。」
衝立の後ろから、鈍い音がする。戻って来た親父と俺は、ヴァンパイアポリスの捜査官たちの到着を待った。
程なくヴァンパイアポリスの仲間たちが店の中に飛び込んで来た。
「一宇!あいつは!」
「その衝立の後ろでのびてるよ。」
捜査官が5人揃って、衝立の後ろをのぞき込みのびてるトキオを発見する。
トキオは、意識を失ったまま高木班長に担がれて連れていかれた。
このまま、司さんのところへ連れていく予定だと杉山さんが話してくれた。
「ご協力ありがとうございました。このお礼は後日あらためまして伺います。」
「じゃ、俺も一緒に行くよ。親父さんありがとう。翔也にもよろしく。」
「おう。またな、一宇。」
俺もヴァンパイアポリスメンバーと一緒に高橋モータースを後にする。
アヤメが俺の乗って来た車に乗り込んでくる。
「どういうことなのか、裁判所に就くまでに説明してもらうわよ。」
俺はアヤメを乗せて、裁判所への道を急いだ。
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