58 / 166
彼女の行方 ①
しおりを挟む
翌日から、俺とアヤメは斎藤さんの彼女の捜索を始めることになった。
「彼女の失踪には何かある」野生の感が働く、、。と全く変な理由で、半沢主任と高木班長を説得したアヤメ。とりあえず俺とアヤメの二人なら調べてみてもよいとOKをもらった。
それと、アヤメのすることに真っ先に異議を唱える杉山さんが、異議を唱えなかったのも不思議だ。
ただ、「連絡はマメにお願いします。糸の切れた凧では困りますよ。」と言っただけだった。
俺たちは、昨日、斎藤さんが言っていた石野美幸が働いていたキャバクラに向かう。そこは、ヴァンパイア向けのキャバクラだった。
まずは、店の店長の男から話を聞く。はじめ、店長は俺たちが店の違法営業を調べに来たと勘違いしたらしく「うちは健全な店で、人血とか違法なものは提供してないですよ。」などと、トンチンカンな事を言っていたが、石野美幸さんの事を調べに来たと話すと、安心したのか協力的だった。
「あの子ねぇ。最初は真面目ないい子だったんですよ。彼氏がいるとかで結婚費用を貯めてるとか言ってね。そんなんだったから、客ともトラブルもなかったし。あの子、聞き上手でね。お店にもファンが多かったんですよ。」
「彼女が変わったのはいつ頃からか覚えてます?」
「いつ頃かなぁ。年末には、仕事を無断で休んだり、店の娘と喧嘩したり。おかしくなってたと思いますけど。直接、彼女たちから話を聞いてみたらいかがですか?」
そう言って女の子を二人呼んだ。
「こっちが、ユリちゃん。もう一人の娘がヒミカちゃんです。」
「ユリでーす。」
「ヒミカでーす。」
二人が、営業スマイルで挨拶する。
「それで、ケンカしたのはどっち?」
「私で~す。」ユリと名乗った娘が手を上げる。
「ケンカの原因は何?」
「ケンカって言うかぁ。桜子が悪いんだよ。あ、桜子って言うのはあの子がここで使ってた源氏名ね。桜子がヘルプでアタシについたときに、アタシの客に、まぁ、ちょっと違うんだけど、客と一緒に来た女の子にしつこく話しかけたりして、なんか感じ悪かったから文句言ったら。あんたの客なんかに興味はない!ってキレはじめて、それでケンカに。」
「その、客と一緒に来た女の子とどんな話をしてたの?」
「なんか、いいバイトがあるとか。簡単で高収入だよ、なんて話をしてた。」
「そのお客さんの連絡先ってわかる?」
「わかるよ~。ちょっと待ってて。」
ユリが、ピンクと紫のラインストーンでデコされた名刺入れの中から、一枚の名刺を抜き取る。
「この人だよ。その名刺2枚あるから1枚さしあげま~す。」
俺は名刺を受け取り、手帳のポケットに差し込む。
「じゃ、桜子さんの親友は、あなたね。」
「親友って言うか、ここでは気が合ったって感じ。でも、ご飯一緒に食べに行ったり、桜子の彼氏も知ってるよ。仕事終わった後、車で送ってもらったりしたから。」
(斎藤さんの事だ。)
「その彼氏ってどんな人?」
「なんか。オジサン。35歳くらいかな。スーツをビシッと決めてて、金持ちって感じの人。車も高級車だった。」
(斎藤さんじゃない。彼はどう見ても20代にしか見えないし、見た目も金持ちには見えない。本人から聞いたわけではないが、高級車も持ってないだろう。)
「桜子さんは、その男をなんて呼んでたか覚えてる?」
「トベ、トバ、ちがうな、、あっ。トダ。トダさんって呼んでました。」
トダ。俺は急いでメモを取る。最近、俺はアヤメのメモ係に昇格していた。
「最近、桜子さんが変わったって、店長が言ってたけど、あなたもそう思う?」
「うん。なんか副業の方が儲かるから、この仕事はやめるみたいなこと言ってました。私も誘ってよ~って言ったんだけど、危ない仕事だから、ヒミカには紹介できないって言って。ご飯おごるから、ここ辞めても友達でいようねって言われて。」
「辞めた後、連絡は取ってたの?」
「2,3回ご飯に行ったけど。1ヶ月くらい前から急に連絡が取れなくなって。」
1ケ月前から連絡が取れなくなったというのは、斎藤さんとケンカをして家を飛び出した時期とも一致する。ヒミカの言っていた金持ちの彼氏と暮らしてるのかもしれない。
「ただ、最後に会った時、気になること言ってたんですよ。」
「気になることって?」
「ご飯食べてたら、私、なんかヤバいことに首突っ込んじゃったみたいだって言い始めて。ヒミカちゃんに仕事紹介しなくて本当に良かったって言ったんです。わたし、ヤバいなら辞めちゃえばって言ったんです。そしたら、うん辞めるって。またご飯に付き合ってねって。でも、その後連絡が無くなって、心配してたんだよね。」
職場の関係者から聞けたのは、そんなところだった。
「思ったより、斎藤の彼女はヤバい事になっているかもしれないわね。」
アヤメがそんな不吉な事を言った。
次に俺たちは、ヴァンパイアの住民登録から調べた、彼女の実家に行ってみることにした。彼女の実家は、戦争後に建てられたヴァンパイア専用の公営団地だった。
電話であらかじめ連絡をしていたからか、彼女の心配をしていた母親が団地の階段の前で待っていた。
俺たちは、家に案内され、すぐに話を聞くことが出来た。
母親は、仕事を休めなかった父親の不在を詫びる。
「父親も娘の事は心配してるんです。でも今日は、どうしても仕事を休めなくって。それで、娘に何かあったんでしょうか?だって、ヴァンパイアポリスだなんて。」
母親は今にも泣きだしそうな顔でアヤメに尋ねる。
「まだ、事件と決まったわけではないんですよ。」
アヤメが慰めるようにそう言った。
「もう1か月も連絡がないんです。1か月前に突然、ふらっと帰って来て。彼とケンカしたって言ってました。」
「あの彼と言うのは、斎藤さんですよね。」
「そうです。その後連絡が取れなくなって、翌日、斎藤君から電話があって、「ケンカした」って斎藤君も言ってたし。あの子の事だから、ほとぼりが冷めたら帰るだろうから心配しないようにって、斎藤君にも言ったんですけど、それから1か月でしょ。あの子どこに行ったんだか。」
「ああ、それと。あの子、最後に帰って来た時ハンドバック忘れて帰って。携帯と財布は入ってなかったんだけど、手帳とか化粧ポーチは入ってたから、直ぐに取りに来るだろうと思ってたんですけど、それもそのままで。」
「もし良かったら、見せていただけますか?」
「はい。今、持ってきます。」
母親は、隣の部屋に行くと、フェイクファーのピンク色のハンドバックを持って戻って来た。
「これです。」
アヤメは「確認させていただきます」と言ってハンドバックを開ける。
母親の言った通り、バッグの中には、小銭入れと化粧ポーチ。それとキャッティーちゃんのキャラクターが描かれた手帳が入っていた。
アヤメは、化粧ポーチを小銭入れを見てカバンに戻すと、手帳を開く。中には小さな字で、びっしりと文字や記号、それと数字が書かれてあった。
「変でしょ、今どきの若い子なのに、あの子メモ魔で、なんでも手帳に書く癖があったんですよ。書くと忘れないから、なんて言ってね。」
アヤメは手帳を手に取り、
「石野さん。これ、お借りできますか?」と言った。
母親は、もちろん。と言って手帳を貸してくれた。
俺たちは、石野家を後にする。車に戻ったアヤメは車のルームライトを点けて手帳を読みだした。
「この奇妙な記号と数字を彼女が手帳に書きだしたのは、去年の4月からだわ。最初はそれほど多くないのよ。記号も数字もね。この数字と、記号に何か関連があるのかしら?」
「ちょっと見せて。」
俺は、手帳を受け取りみる。
「記号と数字に関連性あるじゃん。」
「え、一宇分かったの?」
「簡単だよ。この星のマークが60000。このハートのマークが90000だね。だから、この4月23日は、星が二つで12万、ハートが一つで9万あわせて、21万。ほかの日もこの公式に当てはめたら成り立つと思うよ。」
「げっ。一宇のくせに数字に強いなんて。」
「一宇のくせにってなんだよ。この数字ってお金かな?」
「お金でしょ。だって、この子金回りが良くなったって、みんな証言してたし。」
「でも、この手帳、数字と記号しか書かれてないのよね。」
「じゃ、名刺の吉井さんって人に連絡とってみようよ。」
「じゃ、一宇。電話してみてよ。」
「もしもし。私、本田と申しますが、製造課長の吉井さんはいらっしゃいますでしょうか?はい、お願いします。」
「あ、もしもし。吉井さんですか?私、ヴァンパイアポリスの本田と申します。え、はい。ヴァンパイアポリスです。あの、お伺いしたいことがあるんです。逮捕されるのかって?違いますよ。今からそちらにお伺いしたいんですけど。用件は何かって?国分町のキャバクラ「シュガームーン」ご存知ですよね?ええ、別にキャバクラに行くのは犯罪じゃないですよ。一度女性とシュガームーンに行ってますよね?ええ、はい。浮気は倫理的にはいけないことですが、犯罪ではありません。奥様には言いませんから。同伴された女性のお名前と連絡先をお聞きしたいんだけなんですよ!」
「奥さんが怖いなら浮気するなってんだよ。吉井のつれの名前と住所がわかった。ここからそう遠くないところだけど、明日にする?」
「善は急げよ。」
俺たちは、最後の頼みの綱の吉井の彼女の元へ急いだ。
「彼女の失踪には何かある」野生の感が働く、、。と全く変な理由で、半沢主任と高木班長を説得したアヤメ。とりあえず俺とアヤメの二人なら調べてみてもよいとOKをもらった。
それと、アヤメのすることに真っ先に異議を唱える杉山さんが、異議を唱えなかったのも不思議だ。
ただ、「連絡はマメにお願いします。糸の切れた凧では困りますよ。」と言っただけだった。
俺たちは、昨日、斎藤さんが言っていた石野美幸が働いていたキャバクラに向かう。そこは、ヴァンパイア向けのキャバクラだった。
まずは、店の店長の男から話を聞く。はじめ、店長は俺たちが店の違法営業を調べに来たと勘違いしたらしく「うちは健全な店で、人血とか違法なものは提供してないですよ。」などと、トンチンカンな事を言っていたが、石野美幸さんの事を調べに来たと話すと、安心したのか協力的だった。
「あの子ねぇ。最初は真面目ないい子だったんですよ。彼氏がいるとかで結婚費用を貯めてるとか言ってね。そんなんだったから、客ともトラブルもなかったし。あの子、聞き上手でね。お店にもファンが多かったんですよ。」
「彼女が変わったのはいつ頃からか覚えてます?」
「いつ頃かなぁ。年末には、仕事を無断で休んだり、店の娘と喧嘩したり。おかしくなってたと思いますけど。直接、彼女たちから話を聞いてみたらいかがですか?」
そう言って女の子を二人呼んだ。
「こっちが、ユリちゃん。もう一人の娘がヒミカちゃんです。」
「ユリでーす。」
「ヒミカでーす。」
二人が、営業スマイルで挨拶する。
「それで、ケンカしたのはどっち?」
「私で~す。」ユリと名乗った娘が手を上げる。
「ケンカの原因は何?」
「ケンカって言うかぁ。桜子が悪いんだよ。あ、桜子って言うのはあの子がここで使ってた源氏名ね。桜子がヘルプでアタシについたときに、アタシの客に、まぁ、ちょっと違うんだけど、客と一緒に来た女の子にしつこく話しかけたりして、なんか感じ悪かったから文句言ったら。あんたの客なんかに興味はない!ってキレはじめて、それでケンカに。」
「その、客と一緒に来た女の子とどんな話をしてたの?」
「なんか、いいバイトがあるとか。簡単で高収入だよ、なんて話をしてた。」
「そのお客さんの連絡先ってわかる?」
「わかるよ~。ちょっと待ってて。」
ユリが、ピンクと紫のラインストーンでデコされた名刺入れの中から、一枚の名刺を抜き取る。
「この人だよ。その名刺2枚あるから1枚さしあげま~す。」
俺は名刺を受け取り、手帳のポケットに差し込む。
「じゃ、桜子さんの親友は、あなたね。」
「親友って言うか、ここでは気が合ったって感じ。でも、ご飯一緒に食べに行ったり、桜子の彼氏も知ってるよ。仕事終わった後、車で送ってもらったりしたから。」
(斎藤さんの事だ。)
「その彼氏ってどんな人?」
「なんか。オジサン。35歳くらいかな。スーツをビシッと決めてて、金持ちって感じの人。車も高級車だった。」
(斎藤さんじゃない。彼はどう見ても20代にしか見えないし、見た目も金持ちには見えない。本人から聞いたわけではないが、高級車も持ってないだろう。)
「桜子さんは、その男をなんて呼んでたか覚えてる?」
「トベ、トバ、ちがうな、、あっ。トダ。トダさんって呼んでました。」
トダ。俺は急いでメモを取る。最近、俺はアヤメのメモ係に昇格していた。
「最近、桜子さんが変わったって、店長が言ってたけど、あなたもそう思う?」
「うん。なんか副業の方が儲かるから、この仕事はやめるみたいなこと言ってました。私も誘ってよ~って言ったんだけど、危ない仕事だから、ヒミカには紹介できないって言って。ご飯おごるから、ここ辞めても友達でいようねって言われて。」
「辞めた後、連絡は取ってたの?」
「2,3回ご飯に行ったけど。1ヶ月くらい前から急に連絡が取れなくなって。」
1ケ月前から連絡が取れなくなったというのは、斎藤さんとケンカをして家を飛び出した時期とも一致する。ヒミカの言っていた金持ちの彼氏と暮らしてるのかもしれない。
「ただ、最後に会った時、気になること言ってたんですよ。」
「気になることって?」
「ご飯食べてたら、私、なんかヤバいことに首突っ込んじゃったみたいだって言い始めて。ヒミカちゃんに仕事紹介しなくて本当に良かったって言ったんです。わたし、ヤバいなら辞めちゃえばって言ったんです。そしたら、うん辞めるって。またご飯に付き合ってねって。でも、その後連絡が無くなって、心配してたんだよね。」
職場の関係者から聞けたのは、そんなところだった。
「思ったより、斎藤の彼女はヤバい事になっているかもしれないわね。」
アヤメがそんな不吉な事を言った。
次に俺たちは、ヴァンパイアの住民登録から調べた、彼女の実家に行ってみることにした。彼女の実家は、戦争後に建てられたヴァンパイア専用の公営団地だった。
電話であらかじめ連絡をしていたからか、彼女の心配をしていた母親が団地の階段の前で待っていた。
俺たちは、家に案内され、すぐに話を聞くことが出来た。
母親は、仕事を休めなかった父親の不在を詫びる。
「父親も娘の事は心配してるんです。でも今日は、どうしても仕事を休めなくって。それで、娘に何かあったんでしょうか?だって、ヴァンパイアポリスだなんて。」
母親は今にも泣きだしそうな顔でアヤメに尋ねる。
「まだ、事件と決まったわけではないんですよ。」
アヤメが慰めるようにそう言った。
「もう1か月も連絡がないんです。1か月前に突然、ふらっと帰って来て。彼とケンカしたって言ってました。」
「あの彼と言うのは、斎藤さんですよね。」
「そうです。その後連絡が取れなくなって、翌日、斎藤君から電話があって、「ケンカした」って斎藤君も言ってたし。あの子の事だから、ほとぼりが冷めたら帰るだろうから心配しないようにって、斎藤君にも言ったんですけど、それから1か月でしょ。あの子どこに行ったんだか。」
「ああ、それと。あの子、最後に帰って来た時ハンドバック忘れて帰って。携帯と財布は入ってなかったんだけど、手帳とか化粧ポーチは入ってたから、直ぐに取りに来るだろうと思ってたんですけど、それもそのままで。」
「もし良かったら、見せていただけますか?」
「はい。今、持ってきます。」
母親は、隣の部屋に行くと、フェイクファーのピンク色のハンドバックを持って戻って来た。
「これです。」
アヤメは「確認させていただきます」と言ってハンドバックを開ける。
母親の言った通り、バッグの中には、小銭入れと化粧ポーチ。それとキャッティーちゃんのキャラクターが描かれた手帳が入っていた。
アヤメは、化粧ポーチを小銭入れを見てカバンに戻すと、手帳を開く。中には小さな字で、びっしりと文字や記号、それと数字が書かれてあった。
「変でしょ、今どきの若い子なのに、あの子メモ魔で、なんでも手帳に書く癖があったんですよ。書くと忘れないから、なんて言ってね。」
アヤメは手帳を手に取り、
「石野さん。これ、お借りできますか?」と言った。
母親は、もちろん。と言って手帳を貸してくれた。
俺たちは、石野家を後にする。車に戻ったアヤメは車のルームライトを点けて手帳を読みだした。
「この奇妙な記号と数字を彼女が手帳に書きだしたのは、去年の4月からだわ。最初はそれほど多くないのよ。記号も数字もね。この数字と、記号に何か関連があるのかしら?」
「ちょっと見せて。」
俺は、手帳を受け取りみる。
「記号と数字に関連性あるじゃん。」
「え、一宇分かったの?」
「簡単だよ。この星のマークが60000。このハートのマークが90000だね。だから、この4月23日は、星が二つで12万、ハートが一つで9万あわせて、21万。ほかの日もこの公式に当てはめたら成り立つと思うよ。」
「げっ。一宇のくせに数字に強いなんて。」
「一宇のくせにってなんだよ。この数字ってお金かな?」
「お金でしょ。だって、この子金回りが良くなったって、みんな証言してたし。」
「でも、この手帳、数字と記号しか書かれてないのよね。」
「じゃ、名刺の吉井さんって人に連絡とってみようよ。」
「じゃ、一宇。電話してみてよ。」
「もしもし。私、本田と申しますが、製造課長の吉井さんはいらっしゃいますでしょうか?はい、お願いします。」
「あ、もしもし。吉井さんですか?私、ヴァンパイアポリスの本田と申します。え、はい。ヴァンパイアポリスです。あの、お伺いしたいことがあるんです。逮捕されるのかって?違いますよ。今からそちらにお伺いしたいんですけど。用件は何かって?国分町のキャバクラ「シュガームーン」ご存知ですよね?ええ、別にキャバクラに行くのは犯罪じゃないですよ。一度女性とシュガームーンに行ってますよね?ええ、はい。浮気は倫理的にはいけないことですが、犯罪ではありません。奥様には言いませんから。同伴された女性のお名前と連絡先をお聞きしたいんだけなんですよ!」
「奥さんが怖いなら浮気するなってんだよ。吉井のつれの名前と住所がわかった。ここからそう遠くないところだけど、明日にする?」
「善は急げよ。」
俺たちは、最後の頼みの綱の吉井の彼女の元へ急いだ。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
深海の星空
柴野日向
青春
「あなたが、少しでも笑っていてくれるなら、ぼくはもう、何もいらないんです」
ひねくれた孤高の少女と、真面目すぎる新聞配達の少年は、深い海の底で出会った。誰にも言えない秘密を抱え、塞がらない傷を見せ合い、ただ求めるのは、歩む深海に差し込む光。
少しずつ縮まる距離の中、明らかになるのは、少女の最も嫌う人間と、望まれなかった少年との残酷な繋がり。
やがて立ち塞がる絶望に、一縷の希望を見出す二人は、再び手を繋ぐことができるのか。
世界の片隅で、小さな幸福へと手を伸ばす、少年少女の物語。

ラムネは溶けた、頭の中に
卵男
青春
「実母を殺害」
そのニュースの犯人は、とある男の同級生であった。男はこの事件をきっかけに、犯人と過ごした少年時代を邂逅しはじめる。
その思い出は、かつての少年二人を簡単に壊してしまうような、痛々しいものばかりであった——。
◆筆者多忙の為、更新は遅めになると思いますがよろしくお願い致します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
四季姫Biography~陰陽師少女転生譚~
幹谷セイ
青春
個性豊かな女子中学生たちが十二単のお姫様に変身!
バトルや恋愛を通じて強く成長していく陰陽師アクション!
千年前に命を落とした陰陽師・四季姫の生まれ変わりである少女たちが、新たなる使命を帯びて妖怪に立ち向かう平成絵巻。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる