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ヴァンパイアの事件ファイル ⑨
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事務所に戻ってきた高木班長、山田さんは疲れ切っていた。
「高木班長、お疲れ様でした。」
「おう、本田君。君の方も大変だったらしいな。」
「こっちは、工場の鎮圧自体は大したことがなかったんだよ。なんせ、工場で働いていたヴァンパイアは、強制的に働かされていた一般市民だったからな、あっという間に白旗を上げて降伏。俺たちが踏み込んだお陰で「家に帰れる」って喜んでたよ。」
「一般市民を解放できたのは、良かったですね。」
「問題はここからだ。工場の奥に鉄の柵がが付いた檻があって、中にたくさんのヴァンパイアが監禁されていたんだ。あいつら、監禁されていたヴァンパイアの血液を原料にしてコスモスEXを作ってたんだよ。」
「それは、酷いですね。」
「いや、最悪だよ。そのほとんどが未成年の少年少女で、、、。しかも、元は人間だった。我妻は若い人間を集めて彼らをヴァンパイアにして血液を搾取した。これは、日本政府との共存協定に違反する。問題になるぞ。「ヴァンパイアとの共存に反対する市民の会」も、また騒ぎ出すだろうな。」
ヴァンパイアとの共存に反対する市民の会、通称、ヴァン共反会。仙台市の牧師が立ち上げた日本の社会からヴァンパイアを排除することを目的とする市民団体だ。普段は、公園などでヴァンパイア排除の署名や抗議集会を行う程度だが、ヴァンパイアの襲撃など過激な行動を起こすこともある。
「それで、君たちが逮捕した我妻って男。ヴァンパイアマフィアのトップだったって知ってたか?」
「ヴァンパイアマフィアって、あの白鬼の?ソックスでしたっけ?」
「いや、そこと敵対してるチームらしい。確か、VMって名前で、ソックスより、ヴァンパイアマフィアとしての歴史は我妻の団体のほうが古かったらしいぞ。いずれにしても、悪の軍団が町から一つ減ったのは喜ばしいことだよ。」
「悪の軍団って、いつの時代ですか高木さん。」
「はははは、いつの時代でも悪の軍団は、悪の軍団だよ。カッコいい名称で呼んだりしたら奴らがつけあがるからな。」
さっきの班長の話も、今の高木さんの話も俺を不安にさせた。
「もしもし。白鬼さま。はい、成功しました。我妻も逮捕され、VMの壊滅も時間の問題でしょう。盗み出したコスモスEXの製造方法は、USBメモリーにコピーしてあります。はい。例の手はずも、すでに整えてあります。はい。ありがとうございます。それでは、失礼します。」
「高木班長、お疲れ様でした。」
「おう、本田君。君の方も大変だったらしいな。」
「こっちは、工場の鎮圧自体は大したことがなかったんだよ。なんせ、工場で働いていたヴァンパイアは、強制的に働かされていた一般市民だったからな、あっという間に白旗を上げて降伏。俺たちが踏み込んだお陰で「家に帰れる」って喜んでたよ。」
「一般市民を解放できたのは、良かったですね。」
「問題はここからだ。工場の奥に鉄の柵がが付いた檻があって、中にたくさんのヴァンパイアが監禁されていたんだ。あいつら、監禁されていたヴァンパイアの血液を原料にしてコスモスEXを作ってたんだよ。」
「それは、酷いですね。」
「いや、最悪だよ。そのほとんどが未成年の少年少女で、、、。しかも、元は人間だった。我妻は若い人間を集めて彼らをヴァンパイアにして血液を搾取した。これは、日本政府との共存協定に違反する。問題になるぞ。「ヴァンパイアとの共存に反対する市民の会」も、また騒ぎ出すだろうな。」
ヴァンパイアとの共存に反対する市民の会、通称、ヴァン共反会。仙台市の牧師が立ち上げた日本の社会からヴァンパイアを排除することを目的とする市民団体だ。普段は、公園などでヴァンパイア排除の署名や抗議集会を行う程度だが、ヴァンパイアの襲撃など過激な行動を起こすこともある。
「それで、君たちが逮捕した我妻って男。ヴァンパイアマフィアのトップだったって知ってたか?」
「ヴァンパイアマフィアって、あの白鬼の?ソックスでしたっけ?」
「いや、そこと敵対してるチームらしい。確か、VMって名前で、ソックスより、ヴァンパイアマフィアとしての歴史は我妻の団体のほうが古かったらしいぞ。いずれにしても、悪の軍団が町から一つ減ったのは喜ばしいことだよ。」
「悪の軍団って、いつの時代ですか高木さん。」
「はははは、いつの時代でも悪の軍団は、悪の軍団だよ。カッコいい名称で呼んだりしたら奴らがつけあがるからな。」
さっきの班長の話も、今の高木さんの話も俺を不安にさせた。
「もしもし。白鬼さま。はい、成功しました。我妻も逮捕され、VMの壊滅も時間の問題でしょう。盗み出したコスモスEXの製造方法は、USBメモリーにコピーしてあります。はい。例の手はずも、すでに整えてあります。はい。ありがとうございます。それでは、失礼します。」
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