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75話「羊が一匹羊が二匹」
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「はい、どうぞ杏香さん」
梓は急須から湯呑にお茶を注ぐと、それを杏香の方へと、コタツ板の上を滑らせて差し出した。
「あ、どーも」
杏香がお礼を言いながら、そのお茶を一口飲んだ。
「はぁー……やっぱり粉末じゃないお茶はいいわね。風味があるわ」
「そうですか? 粉末にも風味がいいのはありますよ」
「そうでしょうけど、こう……雰囲気がね、やっぱり違うのよ、雰囲気が」
「雰囲気ですかぁ」
梓も杏香と会話しながら、ちびちびとお茶を口に運ぶ。
「そうそう。こういうのは雰囲気が大事よ」
杏香が湯呑の底をググッと上に持ち上げて、お茶を飲み干す。
「はぁー、ほんと、美味しいわねこのお茶」
「そうですか、そこまで喜んでもらえると、いれた私も嬉しいです」
梓が微笑みながら、保温ポットから急須にお湯を注ぎ、その急須から杏香の湯呑にお茶を注いだ。
「ありがと梓。ズズ……」
杏香が、新たに注がれたお茶を一口すすると、傍らに置いてあった鞄の中から、何枚かの紙が入っているクリアケースを取り出した。
「さてと、早速本題に入ろうかしら」
杏香がクリアケースの中身を見て、クリアケースの中から一枚の紙を抜き取り、コタツの上に置いた。
「何が分かったんですか?」
梓が杏香の置いた紙を覗き込む。ウェブサイトのスクリーンショットが印刷されているようだ。
「ええ、ようやくそれっぽい呪いの情報が手に入ったから、嬉々として来たのよ私は」
「遂に分かりましたか……」
「ええ。ここにきて情報が整ってきたのが大きいわね。杉村の手の傷が大きかったわ。ああ、勿論、梓もよ。梓があの怪物を一匹ぶっ倒してくれたおかげで、色々と捗ったわ」
「あはは、体を張った甲斐がありましたね。でも、そのせいで、調査の殆どは杏香さんに任せることになってしまって……」
「気にしない、気にしない。あたしが全部やってるのは、梓にゆっくりと治療してもらいたかったってのもあるけど、梓に破魔の矢に専念してほしかったからなんだから」
「あ、そうなんですか。それはなんだか悪いですね、私が未熟なせいで」
「いいのよ。忙しい時はお互いさま。私も人のこと言えないから……。私は職業柄、その時必要なことはその時に覚えたりするけどさ、今回の梓の場合だって突然予期せぬ強敵に対処しなくちゃならなくなったわけだからさ……」
杏香が途中で言葉を切って、一口のお茶を口の中へと流し込む。
「それで、梓だって、学校生活にお祓い稼業の二重生活だし、あらかじめ予測してなかったことに備えられるくらいの余裕はなかったでしょ。そういう時は、今回は補助に回ってるあたしの出番なんだって」
「うーん……理路整然としてるようで、実行するのが結構難しいことですよね。杏香さんは強いですねぇ」
「そんなことないわよ。梓の方が、よっぽどやることやってるって。近くに居ると分かるわ。さ、それで呪いのことだけど……」
「はい。正確に分かったのなら、こちらから打って出ることも出来ますね」
「そうそう。呪いについてはネット上にあったやつ、印刷してきたんだけどね」
「ネットですか……」
「ええ。現状の証拠を使って調べてみた結果、ネットにしか情報が無かったわ。ネット上には信憑性の無い情報が山ほどあるから、ちょっと不安は残るんだけど……今回の件と一致した呪いは、ネット上でしか見つからなかったわ。本屋とか図書館とか、一般に出回ってる本の中には無かったわね」
「そうですか……だとすると、逆にネットで類似の呪いがあったなら、信憑性は高まりますね。表に出てこない情報でも、ネットの深い所には残ってることがありますから」
「ええ、あたしも、そう思う。表に出てこないくらいマイナーな情報とかはネットでも目立たないし、表に出すと不都合な情報って、目立つと消されてしまうから……で、どうかな?」
「まず、この紙に書いてあるのは『羊の殺し歌』なんだけどね。これは羊が一匹羊が二匹って、普通の羊の数え歌みたいに数えていって、羊を一万匹まで数えなきゃいけないの」
杏香がコタツの上に置いた紙を見ながら、大体の呪いの概要を話し始めた。
「結構な量ですね。牧場がパンパンになりそうです」
「餌代も大変そうね。利益も凄いだろうけど……って梓」
「あ、脱線しちゃいましたね。続き、どうぞ」
「うん……で、一万匹数えた後、こう付け足すの『全部死んだ』って」
「なるほど、一言付け加えるだけで、結構おどろおどろしくなるわけですね」
「そうね。そして、羊の五六四番目の時に、殺したい相手の顔を思い浮かべるの」
「すると、全部言い終わった時に、殺したい相手が死ぬと」
梓が理解したと言わんばかりに、首を縦に振った。
「そういうこと。で、これが一番オリジナルっぽいから最初に話したんだけど、いくつかのバージョンがあるの」
「ああ、良くありますね、そういうの。サイトによって、若干の差があるんですよね」
「そう。それで、その中のバージョンの一つに、羊の四二匹目と四二○匹目の両方が殺しに使えるバージョンがあるのよ」
杏香が、クリアケースの中から、もう一枚、紙を取り出し、一枚目の隣に置いた。こちらにもウェブサイトのスクリーンショットが印刷されている。
「なるほど……一回で二人殺せると……」
「ええ。呪い返しとかを考えない場合、この呪いが有力になるかと思って」
「うーん……この呪いが本物かどうかですね。ちょっと条件が緩すぎるというか、リスクが少なすぎる気がするですが……」
「そうね。それは私も気になったわ。一枚目のサイトでは一万匹で一人殺せて、二枚目のサイトでは二人殺せるというのも、ちょっとおかしいかなって。条件と効果の差が、ちょっとブレ過ぎてる気がするのよね」
「うんうん、杏香さんの言う通りです。ちょっと本物っぽい感じはしませんね、これは。次、いってみましょうか」
「おっけー」
杏香がクリアケースの中から、また一枚、紙を取り出して、コタツの上に、他の紙と重ねて置いた。「切り裂き老婆」。紙にはそれについてのサイトが印刷されていた。
梓は急須から湯呑にお茶を注ぐと、それを杏香の方へと、コタツ板の上を滑らせて差し出した。
「あ、どーも」
杏香がお礼を言いながら、そのお茶を一口飲んだ。
「はぁー……やっぱり粉末じゃないお茶はいいわね。風味があるわ」
「そうですか? 粉末にも風味がいいのはありますよ」
「そうでしょうけど、こう……雰囲気がね、やっぱり違うのよ、雰囲気が」
「雰囲気ですかぁ」
梓も杏香と会話しながら、ちびちびとお茶を口に運ぶ。
「そうそう。こういうのは雰囲気が大事よ」
杏香が湯呑の底をググッと上に持ち上げて、お茶を飲み干す。
「はぁー、ほんと、美味しいわねこのお茶」
「そうですか、そこまで喜んでもらえると、いれた私も嬉しいです」
梓が微笑みながら、保温ポットから急須にお湯を注ぎ、その急須から杏香の湯呑にお茶を注いだ。
「ありがと梓。ズズ……」
杏香が、新たに注がれたお茶を一口すすると、傍らに置いてあった鞄の中から、何枚かの紙が入っているクリアケースを取り出した。
「さてと、早速本題に入ろうかしら」
杏香がクリアケースの中身を見て、クリアケースの中から一枚の紙を抜き取り、コタツの上に置いた。
「何が分かったんですか?」
梓が杏香の置いた紙を覗き込む。ウェブサイトのスクリーンショットが印刷されているようだ。
「ええ、ようやくそれっぽい呪いの情報が手に入ったから、嬉々として来たのよ私は」
「遂に分かりましたか……」
「ええ。ここにきて情報が整ってきたのが大きいわね。杉村の手の傷が大きかったわ。ああ、勿論、梓もよ。梓があの怪物を一匹ぶっ倒してくれたおかげで、色々と捗ったわ」
「あはは、体を張った甲斐がありましたね。でも、そのせいで、調査の殆どは杏香さんに任せることになってしまって……」
「気にしない、気にしない。あたしが全部やってるのは、梓にゆっくりと治療してもらいたかったってのもあるけど、梓に破魔の矢に専念してほしかったからなんだから」
「あ、そうなんですか。それはなんだか悪いですね、私が未熟なせいで」
「いいのよ。忙しい時はお互いさま。私も人のこと言えないから……。私は職業柄、その時必要なことはその時に覚えたりするけどさ、今回の梓の場合だって突然予期せぬ強敵に対処しなくちゃならなくなったわけだからさ……」
杏香が途中で言葉を切って、一口のお茶を口の中へと流し込む。
「それで、梓だって、学校生活にお祓い稼業の二重生活だし、あらかじめ予測してなかったことに備えられるくらいの余裕はなかったでしょ。そういう時は、今回は補助に回ってるあたしの出番なんだって」
「うーん……理路整然としてるようで、実行するのが結構難しいことですよね。杏香さんは強いですねぇ」
「そんなことないわよ。梓の方が、よっぽどやることやってるって。近くに居ると分かるわ。さ、それで呪いのことだけど……」
「はい。正確に分かったのなら、こちらから打って出ることも出来ますね」
「そうそう。呪いについてはネット上にあったやつ、印刷してきたんだけどね」
「ネットですか……」
「ええ。現状の証拠を使って調べてみた結果、ネットにしか情報が無かったわ。ネット上には信憑性の無い情報が山ほどあるから、ちょっと不安は残るんだけど……今回の件と一致した呪いは、ネット上でしか見つからなかったわ。本屋とか図書館とか、一般に出回ってる本の中には無かったわね」
「そうですか……だとすると、逆にネットで類似の呪いがあったなら、信憑性は高まりますね。表に出てこない情報でも、ネットの深い所には残ってることがありますから」
「ええ、あたしも、そう思う。表に出てこないくらいマイナーな情報とかはネットでも目立たないし、表に出すと不都合な情報って、目立つと消されてしまうから……で、どうかな?」
「まず、この紙に書いてあるのは『羊の殺し歌』なんだけどね。これは羊が一匹羊が二匹って、普通の羊の数え歌みたいに数えていって、羊を一万匹まで数えなきゃいけないの」
杏香がコタツの上に置いた紙を見ながら、大体の呪いの概要を話し始めた。
「結構な量ですね。牧場がパンパンになりそうです」
「餌代も大変そうね。利益も凄いだろうけど……って梓」
「あ、脱線しちゃいましたね。続き、どうぞ」
「うん……で、一万匹数えた後、こう付け足すの『全部死んだ』って」
「なるほど、一言付け加えるだけで、結構おどろおどろしくなるわけですね」
「そうね。そして、羊の五六四番目の時に、殺したい相手の顔を思い浮かべるの」
「すると、全部言い終わった時に、殺したい相手が死ぬと」
梓が理解したと言わんばかりに、首を縦に振った。
「そういうこと。で、これが一番オリジナルっぽいから最初に話したんだけど、いくつかのバージョンがあるの」
「ああ、良くありますね、そういうの。サイトによって、若干の差があるんですよね」
「そう。それで、その中のバージョンの一つに、羊の四二匹目と四二○匹目の両方が殺しに使えるバージョンがあるのよ」
杏香が、クリアケースの中から、もう一枚、紙を取り出し、一枚目の隣に置いた。こちらにもウェブサイトのスクリーンショットが印刷されている。
「なるほど……一回で二人殺せると……」
「ええ。呪い返しとかを考えない場合、この呪いが有力になるかと思って」
「うーん……この呪いが本物かどうかですね。ちょっと条件が緩すぎるというか、リスクが少なすぎる気がするですが……」
「そうね。それは私も気になったわ。一枚目のサイトでは一万匹で一人殺せて、二枚目のサイトでは二人殺せるというのも、ちょっとおかしいかなって。条件と効果の差が、ちょっとブレ過ぎてる気がするのよね」
「うんうん、杏香さんの言う通りです。ちょっと本物っぽい感じはしませんね、これは。次、いってみましょうか」
「おっけー」
杏香がクリアケースの中から、また一枚、紙を取り出して、コタツの上に、他の紙と重ねて置いた。「切り裂き老婆」。紙にはそれについてのサイトが印刷されていた。
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