『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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12章 巨大惑星と原色の恐竜たち

14話 激闘!巨大鰐!

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「もしかして、わたしたち助かるの?」

沙羅の問いに、あゆみが叫んだ。



「人類たちよ!ここは俺たち猫に任せろ!」



「「いえええええええ!」」

根拠はないけど、錬と知佳は舞い上がった。



ふふ~ん、とあゆみは微笑んで見せ

「さあ黒猫&白猫よ!猫の本当の力を見せるのだ!」



「なんか解らないけど、ぼくたち助かったみたい?」

「なんか解らないけど、きっとそうだよ!」

知佳のリボンは宙を舞ったのに、アローン兵の通信兵が告げた。

「巨大生物接近中!」

「「えっ?」」」



ブリッジのスクリーンが暗闇に包まれた。



「何?」

「何だろう?」



数秒の沈黙の後、知佳は

「巨大な生物?」

「状況から考えて・・・何かに呑み込まれたのかな?」

「そう見たい」

知佳は反応した。



「水圧、減圧」

通信兵の声が響き、錬&知佳はにやけ

「ん?助かった?」

「かも」




参謀兵は、

「これはチャンスです。沙羅さん」

「ん?」

「ここは我らにお任せを」

「何をする気?」

「今のうちにあの鰐を仕留めて見せます」



参謀兵は沙羅と、視線を交わした後、

「111小隊、船外に出て巨大鰐を仕留めろ!」



参謀兵の命令の直後、ドアが開く音がした。



暗闇の中、ライトが照らされた巨大鰐が、映った。



宇宙船の外は、暗いトンネルの様だった。

天井がゆらゆらと揺れているのは、何かの生物の体内だからだろう。



「何かに食べられて、水圧から逃れられたってとこ?」

沙羅の問いに、参謀は

「そのようです」

と。




巨大鰐の口には、釣り糸の様なものが引っかかっており、その先に餌がいるのだろう。



アローン兵が銃撃を浴びせるのだが、巨大鰐の皮膚はそれを跳ね返した。

そして、ぐわん!と巨大鰐の前足が、アローン兵を押しつぶした。



「鰐、めっちゃ強いじゃん」

そして、知佳のリボンは地に落ちた。




つづく
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