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12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
12話 忘れてました。
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宇宙船の反重力エンジンよりも、鰐の推進力の方が、かなり大きかった。宇宙船は、思いっきり巨大鰐に引っ張られ始めた。
「これ・・引きずり回されてない?」
沙羅の問いに、参謀兵は
「そのようですね」
と平静を装った。
「いや装った訳じゃない。アローン兵にとってこれが日常なのだ」と沙羅は思った。
「人類に皆さん、安心してください、釣り餌の我が精鋭アローン兵が、巨大鰐の体内から、巨大鰐を瞬殺で仕留めますから、瞬殺で」
『瞬殺』『瞬殺』
アローン兵は大事な事なので2回言ったにも関わらず、時間は過ぎて行った。
「釣り餌、壊れたんじゃない?」
この状況でも舞い続ける知佳は言った。
「時間的にそうだよね」
巨大鰐は、海底へ海底へと降りて行った。
知佳は踊るのを止め、沙羅の側に来た。
「海底って水圧って、あったよね?」
「潜水艦的な?」
「そう、この宇宙船って、そう言うの大丈夫なの?」
「宇宙ではあんまし圧とか関係ないからね」
沙羅は参謀兵に
「水圧とか大丈夫なんですか?」
「水圧とは?」
「えっ?潜水艦的なあれだよ?」
「潜水艦とは、海中に潜る兵器ですね・・・なんですと!?」
「想定外だったらしい。精鋭なのに」
錬は、ぽつりと言った。
「申し訳ありません。忘れてました」
参謀兵は、児童の様な言葉を言った。さらに、
「我々AIは学習の過程において、意図的に忘れる事を行っております。
要するに使わないデータは、最深部に押しやられる事が起こってしまうのです。
これは、処理能力の最適化の結果であり、バグではございません」
と言い訳を始めた。
さらに精鋭のはずの機械の参謀は
「現状、このままでは非常に危険な状態が予想されます」
と続けた。
つづく
「これ・・引きずり回されてない?」
沙羅の問いに、参謀兵は
「そのようですね」
と平静を装った。
「いや装った訳じゃない。アローン兵にとってこれが日常なのだ」と沙羅は思った。
「人類に皆さん、安心してください、釣り餌の我が精鋭アローン兵が、巨大鰐の体内から、巨大鰐を瞬殺で仕留めますから、瞬殺で」
『瞬殺』『瞬殺』
アローン兵は大事な事なので2回言ったにも関わらず、時間は過ぎて行った。
「釣り餌、壊れたんじゃない?」
この状況でも舞い続ける知佳は言った。
「時間的にそうだよね」
巨大鰐は、海底へ海底へと降りて行った。
知佳は踊るのを止め、沙羅の側に来た。
「海底って水圧って、あったよね?」
「潜水艦的な?」
「そう、この宇宙船って、そう言うの大丈夫なの?」
「宇宙ではあんまし圧とか関係ないからね」
沙羅は参謀兵に
「水圧とか大丈夫なんですか?」
「水圧とは?」
「えっ?潜水艦的なあれだよ?」
「潜水艦とは、海中に潜る兵器ですね・・・なんですと!?」
「想定外だったらしい。精鋭なのに」
錬は、ぽつりと言った。
「申し訳ありません。忘れてました」
参謀兵は、児童の様な言葉を言った。さらに、
「我々AIは学習の過程において、意図的に忘れる事を行っております。
要するに使わないデータは、最深部に押しやられる事が起こってしまうのです。
これは、処理能力の最適化の結果であり、バグではございません」
と言い訳を始めた。
さらに精鋭のはずの機械の参謀は
「現状、このままでは非常に危険な状態が予想されます」
と続けた。
つづく
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