231 / 234
12章 巨大惑星と原色の恐竜たち
6話 神の怒りの様な爆音
しおりを挟む
ブリッジにスクリーンには、作戦図が映しだされていた。
踊っていた知佳も立ち止まり、錬と伴にそのスクリーンを見つめた。
「沙羅さま、作戦の許可を?」
参謀兵は沙羅に聞いた。
目の前の惑星ヌードルには、巨大な活火山が見えた。
現時点では、僅かに煙を出しているだけだ。
推定火山流量が、提示されたが、それがどれほどの数字なのかは、沙羅には解らなかった。
沙羅はチラッと操縦桿を見た。
宇宙船の操縦桿は、すでにアローン兵が握っている。
操縦桿は錬に握っていて欲しかったが、所詮素人だ。
「大気圏を出た後に?」
「はい」
沙羅は知佳と錬と視線を交わした後、
「任せる」
と告げた。
機械の参謀兵の表情から何も読み取れなかった。
沙羅はじっと目を閉じ、安全を祈った。
大気圏の圧が少しずつ弱まって行くのが解った。
包囲しつつある敵の人型兵器も、宇宙船の確保に距離を修正しつつある。
沙羅の隣で参謀兵が小さな声で、
「発射だ」
と呟いた。
宇宙船内に残されたミサイルが、活火山に向かって突き進んだ。
☆彡
「おい!奴ら何か打ち込んだぞ!火山だ!火山を噴火させるきだ!」
スタージョンの声に、アヤカの思考回路は焦った。
「そんな事が可能なのか?あの火山に関す情報がないのか!」
「これは!俺らにはアクセス権限はないらしい」
「アクセス権限がない?あいつ等にはあるって事か!」
「まだ半数は大気圏突入中だ!どうする?」
「作戦変更!現段階での人類の捕獲は中止。各自火砕流進行方向から退避を優先しろ!」
☆彡
巨大な火口にミサイルが吸い込まれて行った直後、神の怒りの様な爆音が響き、見た事がない巨大な火砕流が吹きあがった。準惑星位なら呑み込む位の大きさだ。
ブリッジのスクリーンが真っ赤に染まっていた。
「めっちゃスレスレ飛行じゃん、スリリングだぜ♪」
知佳は可愛い声で言ったが、沙羅と錬は恐怖から動きを止めていた。
「大丈夫、これなら死ぬときは一瞬、苦しまずに死ねるはず」
沙羅の横で、縁起でもない事を錬は呟いていた。
火砕流と伴に舞いあがった噴煙で、宇宙船の視界はゼロに成った。
知佳は「キャハ」と喜ぶと、リボンを宙に投げ舞った。
その周りを何もすることがないアローン兵たちも、一緒に舞っていた。
沙羅はどうにか言葉を出そうと、錬に話しかけた。
「どう言う神経してんだろう」
「こいつらには死の概念がないのかも」
ガガ!
宇宙船に何かがぶつかる音と衝撃が走った。
かなりヤバい音だ。
つづく
踊っていた知佳も立ち止まり、錬と伴にそのスクリーンを見つめた。
「沙羅さま、作戦の許可を?」
参謀兵は沙羅に聞いた。
目の前の惑星ヌードルには、巨大な活火山が見えた。
現時点では、僅かに煙を出しているだけだ。
推定火山流量が、提示されたが、それがどれほどの数字なのかは、沙羅には解らなかった。
沙羅はチラッと操縦桿を見た。
宇宙船の操縦桿は、すでにアローン兵が握っている。
操縦桿は錬に握っていて欲しかったが、所詮素人だ。
「大気圏を出た後に?」
「はい」
沙羅は知佳と錬と視線を交わした後、
「任せる」
と告げた。
機械の参謀兵の表情から何も読み取れなかった。
沙羅はじっと目を閉じ、安全を祈った。
大気圏の圧が少しずつ弱まって行くのが解った。
包囲しつつある敵の人型兵器も、宇宙船の確保に距離を修正しつつある。
沙羅の隣で参謀兵が小さな声で、
「発射だ」
と呟いた。
宇宙船内に残されたミサイルが、活火山に向かって突き進んだ。
☆彡
「おい!奴ら何か打ち込んだぞ!火山だ!火山を噴火させるきだ!」
スタージョンの声に、アヤカの思考回路は焦った。
「そんな事が可能なのか?あの火山に関す情報がないのか!」
「これは!俺らにはアクセス権限はないらしい」
「アクセス権限がない?あいつ等にはあるって事か!」
「まだ半数は大気圏突入中だ!どうする?」
「作戦変更!現段階での人類の捕獲は中止。各自火砕流進行方向から退避を優先しろ!」
☆彡
巨大な火口にミサイルが吸い込まれて行った直後、神の怒りの様な爆音が響き、見た事がない巨大な火砕流が吹きあがった。準惑星位なら呑み込む位の大きさだ。
ブリッジのスクリーンが真っ赤に染まっていた。
「めっちゃスレスレ飛行じゃん、スリリングだぜ♪」
知佳は可愛い声で言ったが、沙羅と錬は恐怖から動きを止めていた。
「大丈夫、これなら死ぬときは一瞬、苦しまずに死ねるはず」
沙羅の横で、縁起でもない事を錬は呟いていた。
火砕流と伴に舞いあがった噴煙で、宇宙船の視界はゼロに成った。
知佳は「キャハ」と喜ぶと、リボンを宙に投げ舞った。
その周りを何もすることがないアローン兵たちも、一緒に舞っていた。
沙羅はどうにか言葉を出そうと、錬に話しかけた。
「どう言う神経してんだろう」
「こいつらには死の概念がないのかも」
ガガ!
宇宙船に何かがぶつかる音と衝撃が走った。
かなりヤバい音だ。
つづく
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
―異質― 激突の編/日本国の〝隊〟 その異世界を掻き回す重金奏――
EPIC
SF
日本国の戦闘団、護衛隊群、そして戦闘機と飛行場基地。続々異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
大規模な演習の最中に異常現象に巻き込まれ、未知なる世界へと飛ばされてしまった、日本国陸隊の有事官〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟と、各職種混成の約1個中隊。
そこは、剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する世界であった。
そんな世界で手探りでの調査に乗り出した日本国隊。時に異世界の人々と交流し、時に救い、時には脅威となる存在と苛烈な戦いを繰り広げ、潜り抜けて来た。
そんな彼らの元へ、陸隊の戦闘団。海隊の護衛艦船。航空隊の戦闘機から果ては航空基地までもが、続々と転移合流して来る。
そしてそれを狙い図ったかのように、異世界の各地で不穏な動きが見え始める。
果たして日本国隊は、そして異世界はいかなる道をたどるのか。
未知なる地で、日本国隊と、未知なる力が激突する――
注意事項(1 当お話は第2部となります。ですがここから読み始めても差して支障は無いかと思います、きっと、たぶん、メイビー。
注意事項(2 このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
注意事項(3 部隊単位で続々転移して来る形式の転移物となります。
注意事項(4 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。かなりなんでも有りです。
注意事項(5 小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる