『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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12章 巨大惑星と原色の恐竜たち

3話 困った人類ちゃんたち

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追撃してくる艦隊が見え、そこから巨大な人型兵器が、出てきた。



「やばい!やばい!やばい!」

知佳はそう言いながらも、新体操をしている神経に、沙羅と錬は驚いた。

その姿を、ブリッジにいるアローン兵は、楽しそうに眺めていた。



さらに沙羅と錬は呆れた。



沙羅の側に控えているアローン兵の参謀兵は、ぼんやりと惑星ヌードルを眺めていた。



「あれ?壊れたのかな?じゃあ参謀さん壊れたの舞」

と知佳は壊れたのかなの舞を舞った。



【参謀さん壊れたの舞】に、アローン兵達は歓喜した。



沙羅と錬だけ、緊迫した。

「今、大変な状況だよね?」

「そうだよ」

沙羅の問いに錬は答えた。



そんな沙羅と錬を、参謀兵が視線を送った。



「何か作戦が浮かんだ?」

沙羅の問いに、参謀兵は動きを止めた。



「シンキングタイム?」

「そうっぽい」



「シンキングタイムの舞!」

知佳は叫ぶと、アローン兵たちを従え、シンキングタイムの舞を踊った。



「ブリッジはまるでミュージカルの様になったけど、状況は何も変わらない」

錬は呟いた。




         ☆彡





144機動艦隊偵察大隊の旗艦高速艦メルタに続き、麾下の高速輸送艦からもケントリアが、出撃した。

総勢、ケントリオ五機。付属のЮ十も含めると、50機に達する人型兵器だ。



たった一隻の宇宙船を仕留めるには、多すぎる数だ。



「人類はどうするんだ?」

早速、アヤカに問い合わせが来た。

スタージョンだ。アヤカの相方と言っても良い仲だ。



「スタージョン、お前が仕留めろ!」

「嫌だよ!」

「命令だ!」

「嫌だよ!」

「それなら命令無視で軍法会議だが」

「むしろそっちの方が良き」

「Ю十が暴走したとか言えば良いだろう?」

「そんな言い訳を、信じる奴なんていないだろう」



「先発して攻撃を行った、パトロール艇は攻撃出来たのに、エリート階級に属するパイロットは、これだから」

「あいつら新機種だろう。人類への想いなんてなんて事ない奴らだ」



「とりあえずこれだけのケントリアがあれば、確保ぐらいは出来るだろう」

アヤカは、ケントリアが持っている大きなシールドを振って見せた。



あの程度の宇宙船の武器くらいは、楽に防げるシールドだ。

スタージョンは、

「確保が妥当だな。これだけの数があるし、まったく困った人類ちゃんたちだ」



アヤカは、麾下のケントリアに人類の宇宙船の包囲を命じた。





つづく
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