『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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12章 巨大惑星と原色の恐竜たち

2話 ユート

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ケントリオは、遠い人類の時代の百人隊長を意味する言葉だ。
当時は、ケントゥリオとか言ったらしい。

言葉通りなら百機のЮ十(ユート)を従えなくてはならないが、アヤカが従えるのは、10機のЮ十(ユート)だけだ。

各Ю十には、アヤカの仮想AIが搭載されていて、アヤカの思考回路に連結している。
同じ思考が同じ結論に至る訳ではないが、誤差の範囲だ。

仮想AIと繋がれ思考回路上で、自分の仮想AIと会話した。

>最善■捕獲だ。
>反撃を受けた場■は?
>人類を殺す?
>殺せ■その罪は我々に着せられる。
>アストルガが責任を取るのでは?
>実際手を下すの■我々だ!
>最前線は辛いな
>我々なら捕獲可能■ろう!

「しかし雑音がまだ多いな」

それでも、アヤカは自分のコピーとの会話を楽しんだ。

でも所詮自分だ。
ほぼ自分以上の考えは浮かばないが、まれに閃きの様な
発言が飛び出すのは事実だ。

今回はなかったようだが。

「ケントリオ発進1分前です」
オペレーターのロタの声が聞こえた。

アヤカ好みの可愛らしい顔立ちのアンドロイドだ。
誰にも言ってないが、彼女はアヤカのコピーだ。
違法な方法で彼女を、オペレーターに紛れ込ませた。

そんな事が出来るのは、百人隊長ケントリオのスキルを利用出来たからだ。
そして、エースパイロットとオペレーターの連携は実際、戦果に繋がった。

自分好みのロタの顔を見て、アヤカはにやけた。
その顔は、アヤカが一番癒されるタイプの顔だ。

>オールクリア

Ю十との通信の雑音が消えた。
目を閉じ視界を塞ぐと、クリアに成ったЮ十との繋がりを意識出来た。

チューニングによって雑音が消え、格納庫の扉が開き、暗い宇宙空間が見えた。
ケントリオのレーダーでも、人類の宇宙船が確認できた。

>人類か・・・


つづく
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