『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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11章 ファンファーレが鳴る中

12話 さあ、俺にだけ秘密を話すんだ♪

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宇宙船が宇宙空間に出ると、独特の孤独感が襲った。

地面に立っていない。星に守られていない不安感によるものだろう。


スクリーンに太陽系のマップが映し出された。


「この要塞に迷惑はかけたくないけど」

沙羅が呟くと、知佳と錬とバイカルは、マップを凝視した。 

その様子を見ていたアローン兵の参謀は、説明を始めた。      


「宇宙機動艦隊は144時間後に、この要塞に到達します。

まず要塞の臨検を行うと思われます。

その間に出来るだけ遠方へ逃れることが、現時点で最優先するべきだと思われます」


「要塞の臨検?大丈夫なの?」


「あの要塞は、古代遺跡準惑星です。宇宙機動艦隊とは言え手を出しづらい準惑星です。臨検に関しては、彼らが上手くやるでしょう」



         ☆彡




機械ネズミは、人類の宇宙船の出港を確認すると、機械ネズミ用の小さな端末を操作した。

「今より遺跡モードへ変身する!」

と放送で告げた。


最新の設備は覆い隠され、古い遺跡が惑星を覆った。

実際、遺跡を再利用した準惑星だ。


格納庫に閉まっていた人型のアンドロイドたちが、起動し始めた。

人型アンドロイドのシュガーコートたちだ。


機械ネコたちは、そのシュガーコートのペットへと役を変えた。



           

         ☆彡





あゆみは、沙羅の腕の中から飛び降りた。

そして、黒猫と白猫が遊んでいる部屋へと向かった。


本物の猫たちは、宇宙船の展望台にいる事は解ってる。

あゆみは地図を確認すると、展望台に向かって歩き出した。


>俺は本物の猫になる

>その為には、本物の猫を知らなばならない。


展望台の自動ドアが開くと、黒猫と白猫はぱっとあゆみを見つめた。


敵か?

味方か?


本物の猫たちは、まさに動物のように、あゆみと距離を確認していた。


>お前ら、さっき会ってたじゃん?

>何を警戒してんだよ?

>そっかここはお前らや縄張りて事か?

>ふふふ、さすが本物の猫だ♪


>しかし、お前らにはなんか謎が隠されてる気がするんだよな~

>ふふふ、いや、にゃにゃにゃと鳴くべきか?


>さあ、俺にだけ秘密を話すんだ♪



つづく


           
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