『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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11章 ファンファーレが鳴る中

13話 ヌードルとビフィズス菌

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宇宙空間に浮かぶ巨大望遠用が、機械ネコたちの準惑星を照準に定めた。


電波を妨害する方法など幾らでもある。もちろん望遠鏡の視界を妨害する方法も幾らでもあるが、幾つかの情報を重ね合わせると真実へと導かれる。


「人類か・・・逃げ切ればいいな」

「おい、そう言う事言うなよ。面倒に巻き込まれるぜ」

「ああ、訂正するよ」


巨大望遠鏡の小さな管制室で、そんな会話がなされた。


「それにしてもどこに逃げるんだろうな?」

「さあな」

「あの種の生命体ってすぐ死んじゃうからな」

「だな、もろいよな」


その巨大望遠鏡に、人類の宇宙船が古代遺跡がある準惑星から出港する姿が、映し出された。

           


           ☆彡



人類の宇宙船内では、参謀兵が今後の展開を説明していた。

「機動艦隊の航続距離と速度を元に計算しました。我々が生存可能な道は、惑星ヌードルに逃げ込む事が最善だと考えます」


「「惑星ヌードル!」」

知佳と錬は同時に叫んだ。


ブリッジのスクリーンに、その画像が映った。

そして参謀兵は、


「惑星ヌードルとは、巨大原生生物ヌードルが生息する、活火山惑星です」


スクリーンには、その巨大原生生物ヌードルが映った。

まるで巨大な白い麺が蠢いていた。


「「うわっ!」」

2人の女子は、咄嗟に顔をそむけた。


「大きさはちょうど鉄道列車ぐらいから、それより一回り大きな生体も存在するはずです」


「食べれるの?」

錬の問いに、知佳は驚き

「あれを食べる気?」

「美味しそうじゃん」


参謀兵は、

「5000年前の人類が食べたと言う記録が残っております。

ヌードルの体内には、大量のビフィズス菌を保有しており、栄養面でも皆さまの食料補給には、最適な生き物だと考えられます」


参謀兵は、その気持ち悪さが理解できないかの様な口調だった。

食の概念がそもそもないのだろう。


「「いや・・・」」

沙羅と知佳は、唖然としながらその生き物を見つめた。


そんな女子たちに錬は

「美味しそうじゃん」


「「いや・・・」」

スクリーン上では巨大原生生物ヌードルが、蠢いていた。


目や鼻や生物を思わせる器官は、ないらしく、まさに原生生物の様だった。




つづく
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