『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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11章 ファンファーレが鳴る中

8話 ここは、ひたすら、しあわせ。

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背後から何らかの飛行物体が接近している!
知佳の戦闘民族の直感が、それを告げていた。

すぐに戦闘態勢に入った知佳のこん棒が、空を斬った。
「戦闘ドローンか?」

機械ネズミのアルバムさんが操る無駄に高性能なドローンのペガサス号は、振り回されたこん棒を、素早く避けた。

「ちっ」
悔しがる知佳を横目に、機械ネズミはにやけながら、
「ようこそ人類の皆さん、わたくしがこの惑星の総司令官、機械ネズミのアルバムでございます」
そう機械ネズミが言ったもんだから、知佳は二回目の攻撃をする事が出来なかった。
しかたなく、言葉で攻撃した。
「ネズミのくせに総司令官?」
「そりゃ猫になりたい奴らに、組織を動かせませんでしょう?」


管制室のモニターに、沙羅たちが乗ってきた宇宙船が映し出されていた。
そして機械猫たちに拘束されている錬と子ども達が、映った。

「ちょっと!なんで錬が拘束されてるの?」
沙羅は総司令官の機械ネズミに聞いた。

可愛らしい機械ネズミは、
「猫だからです」
「ん?」
「うーん、猫たちの気まぐれじゃないでしょうか。
一応、交渉するように指示はしていたのですが」

機械ネズミはそう答えると、黒電話のような受話器を取ると、
「猫の皆さん、人類は味方と言ったでしょう。すぐに、拘束を解いてください!」

管制室のスピーカーから、機械猫たちの声が流れた。
「そんな事言ったか?」
「さあ、どうだろう」
「猫が鼠の言う事を聞く訳ないだろ」
「そもそも、なんで鼠が、総司令官なんだよ!」

収集が着かなくなりそうなので、白虎のバイカルが、小声で何かを言った。
『・・・』

何を言ったのか解らなかったが、機械猫たちは沈黙した。
機械の猫は、機械の虎の言う事は聞くらしい。



そんな事が起きてる中、沙羅の胸に抱かれたあゆみは考えていた。

>・・・・
>・・・・
>・・・・

訂正、あゆみは何も考えてなかった。

沙羅の胸に抱かれたあゆみは、人知れず幸せを感じていた。

>ここは、ひたすら、しあわせ。



つづく
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