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11章 ファンファーレが鳴る中
6話 我々の戦略?
しおりを挟む機械の猫たちが大量にいる光景は、まるでおもちゃ博物館のようだ。
その光景に、人類の少女の沙羅と知佳は、心が躍った。
そして、沙羅が胸に抱いている機械猫は、見た事がない種類のファションセンスをしていた。この機械猫がどういった存在なのかは不明だが、害はなさそうだ。
沙羅は機械猫をぎゅっと抱きしめて見た。
問題なのは、目の前の安っぽいアンドロイドが、意味不明な言葉を連発してる事。
「こいつ壊れてんじゃない?」
知佳は安っぽいアンドロイドの顔を覗きながら言った。
確かに壊れたように見えるが、沙羅が胸に抱いている機械猫が「任せて」って表情を沙羅に見せると、安っぽいアンドロイドの鼻を押した。
「あの鼻が、リセットボタンかな」
知佳が呟き、沙羅は、
「さすがにそれは安っぽすぎるよ」
と言ってみたが、安っぽいアンドロイドはリセットボタンを押されたかのように、動きを止めた。
知佳は微笑み。
「思ってた以上に、安っぽかった」
「なんか大丈夫なの?」
沙羅の不安の声に、白虎のバイカルが振り向き、なんか微笑んだ。
その微笑が何を意味するのか、何も意味しないのかは解らなかった。
そうこうしているうちに、安っぽいアンドロイドが起動し始めた。
思っている以上に、起動時間がかかったのが、さらに安っぽさを演出した。
「初めまして、わたくしはシュガーコート型アンドロイドです。
この度はお買い上げいただき、ありがとうございます。
精一杯頑張るので、よろしくお願いします」
「「「「え?」」」」
沙羅と知佳とあゆみとバイカルは、視線を交わした。
バイカルが知佳の身元とで何か囁き、知佳が、
「リセットしすぎたみたい」
「どーしましょう」
困惑している2人と2機に、シュガーコートは語りだした。
「安心してください。長期的な視線で見ると、このポンコツ感が有効なのです。
それが安易に目先の利益を追わない我々の戦略です」
「「「「我々って?」」」」
あゆみは沙羅を見上げ視線を交わした。
まるでずっと一緒だったかのような、親しげに視線だった。
バイカルと知佳も同じく、親しげな視線だった。
その瞬間、2人と2機は上手くやれそうと思った。
「我々の戦略?」
代表して沙羅が対応した。
つづく
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