『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

文字の大きさ
上 下
210 / 243
11章 ファンファーレが鳴る中

6話 我々の戦略?

しおりを挟む


機械の猫たちが大量にいる光景は、まるでおもちゃ博物館のようだ。

その光景に、人類の少女の沙羅と知佳は、心が躍った。


そして、沙羅が胸に抱いている機械猫は、見た事がない種類のファションセンスをしていた。この機械猫がどういった存在なのかは不明だが、害はなさそうだ。


沙羅は機械猫をぎゅっと抱きしめて見た。


問題なのは、目の前の安っぽいアンドロイドが、意味不明な言葉を連発してる事。

「こいつ壊れてんじゃない?」

知佳は安っぽいアンドロイドの顔を覗きながら言った。


確かに壊れたように見えるが、沙羅が胸に抱いている機械猫が「任せて」って表情を沙羅に見せると、安っぽいアンドロイドの鼻を押した。


「あの鼻が、リセットボタンかな」

知佳が呟き、沙羅は、

「さすがにそれは安っぽすぎるよ」

と言ってみたが、安っぽいアンドロイドはリセットボタンを押されたかのように、動きを止めた。


知佳は微笑み。

「思ってた以上に、安っぽかった」

「なんか大丈夫なの?」


沙羅の不安の声に、白虎のバイカルが振り向き、なんか微笑んだ。

その微笑が何を意味するのか、何も意味しないのかは解らなかった。


そうこうしているうちに、安っぽいアンドロイドが起動し始めた。

思っている以上に、起動時間がかかったのが、さらに安っぽさを演出した。


「初めまして、わたくしはシュガーコート型アンドロイドです。

この度はお買い上げいただき、ありがとうございます。

精一杯頑張るので、よろしくお願いします」


「「「「え?」」」」

沙羅と知佳とあゆみとバイカルは、視線を交わした。


バイカルが知佳の身元とで何か囁き、知佳が、

「リセットしすぎたみたい」

「どーしましょう」


困惑している2人と2機に、シュガーコートは語りだした。


「安心してください。長期的な視線で見ると、このポンコツ感が有効なのです。

それが安易に目先の利益を追わない我々の戦略です」


「「「「我々って?」」」」


あゆみは沙羅を見上げ視線を交わした。

まるでずっと一緒だったかのような、親しげに視線だった。

バイカルと知佳も同じく、親しげな視線だった。


その瞬間、2人と2機は上手くやれそうと思った。


「我々の戦略?」

代表して沙羅が対応した。



つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦争と平和

澤村 通雄
SF
世界が戦争に。 私はたちの日本もズルズルと巻き込まれていく。 あってはならない未来。 平和とは何か。 戦争は。

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?

俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。 この他、 「新訳 零戦戦記」 「総統戦記」もよろしくお願いします。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...