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11章 ファンファーレが鳴る中
2話 本物の猫のように・・・
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白虎のバイカルに対して、こん棒を持った少女は、ひらりと舞い叫んだ。
「上等だ!」
弱そうな人間の少女が虎型アンドロイドのバイカルに対して、挑んだのは大した度胸だ。命知らずの馬鹿とも言うが。
まるで弱そうな人類の少女に対して、バイカルのアンドロイドの目に、躊躇が浮かんだ。
『どうする?』
バイカルに問われたとしても、あゆみは声が出ない。
戸惑うあゆみとバイカルは、同時に1人の人間の少女を見つめた。
交渉相手の人類のリーダーだ。
その視線の意味を察した人類のリーダーは、
「知佳、止めて!」
その声がその場に響いた。
透き通った良い声だ。
その声に、知佳と呼ばれる少女は動きを止めた。
さすがだ。
>素晴らしい。
あゆみは、声の代わりに拍手を送った。
声が出ないあゆみの代わりに、バイカルが、
『人類の皆さん、ようこそ』
と小声で囁いた。
当然、人類の皆さんには聞こえない。
>あっこいつ、人類を前にして人見知りしてる。
>そうだ!バイカルは5000年前の動物園時代は、人間に対して人見知りしていたって言ってたっけ。人気ナンバー1の白虎だったのに。注目されればされる程、固まってしまう。
>5000年ぶりの人類に対して、その記憶が甦ってしまったのか?
>こんな時に!
「えっ何?」
遠慮を知らなさそうな新体操娘が、バイカルの顔を覗きこみながら尋ねた。
『えーと』
「ん?なに?」
新体操娘は、さらにバイカルの顔を注視した。
>やばいバイカルがショートしそうだ!俺、声でないし・・・
>どうする俺?
>そうだ!俺は可愛い可愛い猫ちゃんだったんだ!
>甘えればいいんだ!
>甘えて、シュガーコートの居る管理室まで誘えば良い!
>甘える・・・こん棒女子はちょっと怖いし、交渉相手たるリーダーの少女だな
通常の猫サイズのあゆみは、人類のリーダーの少女を見上げた。
>人類の少女に甘える。
>俺は可愛い可愛い機械猫なのに、緊張してきた・・・
>そうだ、本物の猫のように甘えればいいのだ。
>しかし、なんて美しい少女だ。
「ん?」
人類の少女はしゃがんで、俺と目線を合わせた。
>うっわーーーーーーめっちゃ人類じゃん!
>めっちゃ生きてるやん!
>生きるってのは、こういう事だったんだ!
そしてあゆみは、抱きかかえられた。
>おおおおおおお!
バイカルが羨ましそうに、俺を見ていた。
>ふふふ
つづく
「上等だ!」
弱そうな人間の少女が虎型アンドロイドのバイカルに対して、挑んだのは大した度胸だ。命知らずの馬鹿とも言うが。
まるで弱そうな人類の少女に対して、バイカルのアンドロイドの目に、躊躇が浮かんだ。
『どうする?』
バイカルに問われたとしても、あゆみは声が出ない。
戸惑うあゆみとバイカルは、同時に1人の人間の少女を見つめた。
交渉相手の人類のリーダーだ。
その視線の意味を察した人類のリーダーは、
「知佳、止めて!」
その声がその場に響いた。
透き通った良い声だ。
その声に、知佳と呼ばれる少女は動きを止めた。
さすがだ。
>素晴らしい。
あゆみは、声の代わりに拍手を送った。
声が出ないあゆみの代わりに、バイカルが、
『人類の皆さん、ようこそ』
と小声で囁いた。
当然、人類の皆さんには聞こえない。
>あっこいつ、人類を前にして人見知りしてる。
>そうだ!バイカルは5000年前の動物園時代は、人間に対して人見知りしていたって言ってたっけ。人気ナンバー1の白虎だったのに。注目されればされる程、固まってしまう。
>5000年ぶりの人類に対して、その記憶が甦ってしまったのか?
>こんな時に!
「えっ何?」
遠慮を知らなさそうな新体操娘が、バイカルの顔を覗きこみながら尋ねた。
『えーと』
「ん?なに?」
新体操娘は、さらにバイカルの顔を注視した。
>やばいバイカルがショートしそうだ!俺、声でないし・・・
>どうする俺?
>そうだ!俺は可愛い可愛い猫ちゃんだったんだ!
>甘えればいいんだ!
>甘えて、シュガーコートの居る管理室まで誘えば良い!
>甘える・・・こん棒女子はちょっと怖いし、交渉相手たるリーダーの少女だな
通常の猫サイズのあゆみは、人類のリーダーの少女を見上げた。
>人類の少女に甘える。
>俺は可愛い可愛い機械猫なのに、緊張してきた・・・
>そうだ、本物の猫のように甘えればいいのだ。
>しかし、なんて美しい少女だ。
「ん?」
人類の少女はしゃがんで、俺と目線を合わせた。
>うっわーーーーーーめっちゃ人類じゃん!
>めっちゃ生きてるやん!
>生きるってのは、こういう事だったんだ!
そしてあゆみは、抱きかかえられた。
>おおおおおおお!
バイカルが羨ましそうに、俺を見ていた。
>ふふふ
つづく
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