『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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10章 時の記憶

18話 銀河連邦公式の調印式

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迎賓館は、まさに迎賓館だった。

惑星間の調印式を行うような格式に満ちていた。


「大丈夫なのか?俺たちで?」

まだ記憶が復活していないあゆみは言った。


ふざけた格好の機械ネコ二匹と機械ネズミ一匹と、シュガーコートタイプの明らかに安っぽいアンドロイド。


機械ネズミは、ペガサス号で飛行しながら、

「まあ一応、俺は秘密結社サインの一応幹部クラスだからな」


「はあ?秘密結社って何だよ?」

『お前も秘密結社の構成員なんだぜ』

「こんなカッコで?アホ?俺アホになったのか?それにこんなドローンに乗ってる玩具みたいなのが、幹部の秘密結社って大丈夫か?」

『逆に誰も秘密結社だとは思わないと言う利点があってな、お蔭で未だに惑星政府は実態を掴めてないって訳だ』

「・・・」

『・・・』

「もしかして秘密結社ごっことかじゃないよな」

『まあ秘密結社ごっこのようなもんだ』

「はあ~何してんだよ俺は」

『意外と楽しいぜ』

「楽しけりゃ良いってもんじゃないだろう、まあいいか」


そして、青銅の生き物に促され、一行は格式のある椅子に腰かけた。

青銅の生き物は、分厚い調印書を提示した。

銀河連邦公式のモノだろう。


あゆみたちは見た事はないが、きっとそうだ。


機械ネズミは、ペガサス号をテーブルに着陸させ、調印内容の確認を行った。


「何が書いてあるんだ?」

あゆみの問いに機械ネズミは答えず、じっと書類を見つめたいた。

そして、

「そう言う事ですか」

と。青銅の生き物も

「そう言う事です」

と。



つづく


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