199 / 243
10章 時の記憶
15話 強い水圧の中で、相方を想う時
しおりを挟む陸上らしき物。
陸上らしき物との間には、強化ガラスで隔たれていた。
まるで水族館の魚になった気分だ。
シュガーコートが、再会を喜んで無邪気に手を振っていた。
『こいつ、アンドロイドにとって水圧が危険な事を知らないらしい』
「さすが最安値のシュガーコートだ」
機械ネズミの潜水タイプに変形したペガサス号に、シュガーコートは大喜びだ。
水族館の客席側には、青銅の生き物が深謀遠慮な表情で、こちらの様子を伺っていた。
その深謀遠慮な表情は、絵になるほどカッコ良かったが!
「カッコいいけど!こっちは、それどころじゃないんですけど!」
青銅の生き物は、静かに歩いた。
そのもの静かな歩き方は、とても洗練されていた。
『違う!この青銅の生き物は、深謀遠慮な自分に酔っている。きっとこいつ鏡の前でかなり練習していたに違いない!』
バイカルの推理に、あゆみもそんな風味思えてきた。
「歩いてないで、さっさと開けろよ!こっちは記憶回路がやられそうなんだ!」
あゆみの切羽詰まって表情が伝わったのか、青銅の生き物は、水槽に内部に繋がる小部屋に入った。そして、こっちに来るように手招きをした。きっと水圧調整室の類だろう。
「なんだろう、これ?思考回路内にアラームが鳴ってるんだけど・・・」
あゆみの言葉に、バイカルは急いであゆみの腕を握った。
「頼りになる相方だぜ・・・・」
水圧調整室のドアが開き、あゆみとバイカルとペガサス号は、飛び込んだ。
青銅の生き物は、
「お待たせ致しました」
と丁寧に言ったが!
『お前!遅いんでよ!』
大音量バージョンのバイカルの声が響いた。
大音量バージョンを聞くのは、何十年ぶりだろう。
しかい【遅いんでよ】って、若干エラーが出たが、大音量なのはかなりの快挙だ。
『おい!あゆみ!大丈夫か!』
大音量のまま、あゆみに問いかけた。
問いかけ続けて数分後、あゆみは動き出すと、
「あれ?何だろう、この身体は?」
『えっ?』
つづく
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説



どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?
俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。
この他、
「新訳 零戦戦記」
「総統戦記」もよろしくお願いします。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる