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10章 時の記憶

3話 猫とネズミと優しいシュガーコートさん

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機械猫と機械ネズミが、宇宙船にはいると、パイロットのシュガーコートが目を覚ました。


「はっ!アルバムさん、お久しぶりです!」

起動したシュガーコートは、機械ネズミのアルバムを見つけると

「お会いしとうございました!」

と駆け寄った。


アルバムさんは、ペガサス号から飛び降りて、シュガーコートに抱き着いた。

「俺も会いたかったよ!やっぱシュガーコートは優しい奴らばかりだよ」

そして「これが愛だ!」と、あゆみとバイカルに視線を送った。



あゆみはバイカルに、

「俺さぁ機械の猫だからって訳じゃないけど、ネズミを餌としか思えない設定なのかもしれない」

『それな・・・』


あゆみとバイカルは、そんな目で機械ネズミのアルバムさんを見返した。


「お前ら、なんやねん!仲間だろ俺たち!」


「そう言った意味でな」

『安心しな、俺たちは機械だから、お前を食べたりしないから』


あゆみは、シュガーコートに抱き着くアルバムさんの頭を撫でてみた。

「なんか寒気がするわ」


「ささ、皆さん行きますよ」

久しぶりに起動したシュガーコートは、機嫌良く声を掛けた。



宇宙船は静かに時計の星に向けて出港した。


ダラダラした生活から抜け、冒険の始まりに、機械の心だがドキドキしているような気がした。


『なあ評議会の連中がいたらどうする?』

「逆に助けを求めるってのはどうだ?」

『漂流者としてか?』

「こんな辺境に要るのは漂流者が冒険者だろ。それにほら、パイロットがシュガーコートだし、ありえない事じゃないだろ」

『あぁ、そう言った意味では、シュガーコートは役に立つな』

「同情されることはあっても、警戒されることはまずないからな」


機械猫たちが話していると、機械ネズミが、

「おい!お前ら、その発言、シュガーコートさんに失礼だぞ!」

とお怒りだが、

「良いんですよ、わたしはそういう役目ですから」

とシュガーコートはネズミをなだめた。


そう言っているうちに、時計の星の全貌が見えてきた。

僅かに動いている歯車の見える時計の惑星。

アンティーク時計好きには溜まらない外観だ。


『でも、それが準惑星サイズだと、さすがに引くな』

「ああ、国家予算とかそのレベルだしな」




つづく
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