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9章 不確実な記憶の世界で

2話 もっとカッコ良いやり方があっただろうに!

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機械のネズミのアルバムさんは、未だ全壊中のペガサス号の装置で、シュガーコート社の外部記憶装置を確認した。


「悪意のあるプログラムは入ってないな、正規のプログラムらしいが、正規のプログラムとは思えない箇所がいくつもある」


砂糖さんは無表情のまま聞いていた。

機械猫のあゆみは、その横顔を覗いた。


無表情なのは処理能力の問題なのか、それともあえてその様な表情をしているのかは解らなかった。


もしかするとシュガーコート社が、何かを仕込んでいるのかも知れない。


アルバムさんは説明を続け、

「まるで素人が作ったようなプログラムってとこが気になる。

通常のプログラムは、もっと効率よく作られているのだが」


あゆみは砂糖さんをチラッと見た後、

「素人が作ったって事?」

「一見ね」

「一見?」

「他の目的があって、効率のよい方のプログラムを使っていない可能性が、あくまで可能だがな。それ以上の事は解らん」


「あのーそろそろ付けてもよろしいでしょうか?」

砂糖さんは尋ねた。


あゆみはアルバムさんに視線を送った。


アルバムさんは

「とりあえず悪意はなさそうなので、まあ大丈夫だろう」

と。


「それでは」

砂糖さんは嬉しそうに言った。

それは新しいおもちゃを貰った子どもの様だった。


砂糖さんは、立ち上がるとお尻に外部記憶装置を挿入した。


「お尻に入れるんだ!」

機械猫2匹と機械ネズミ1匹はちょっと驚いた。

人間の感覚としてまずないし、それは白虎でも同じだったらしい。


外部記憶装置を入れる砂糖さんの、その姿はまさに安物感いっぱいだった。


『もっとカッコ良いやり方があっただろうに!』

と言うバイカルの言葉に、あゆみも同意した。




つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、土曜日更新です(σ⁎˃ᴗ˂⁎)σண♡*(ღ*ˇᴗˇ*)。o♡ウットリ♡




機械の猫たち


【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。

【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。


機械のネズミ

【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。

【ペガサス号】アルバムさんの大切な乗り物。


人型アンドロイド

【砂糖さん】シュガーコート177。あゆみとバイカルが買ったアンドロイド。

【シュガーコート001】もっともお手頃なお値段のアンドロイド。


【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド

【デューカ】ソフィーの相方



【猫】黒猫と白猫
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