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8章 5000年前からの贈り物

18話 愛しのペガサス号

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あゆみとバイカルは、砂糖さんが持ってきたレンタカーに乗った。


「そうだペットにならなきゃ」

とあゆみが呟いて、ふとダッシュボードを見ると、機械ネズミのアルバムさんがいた。


「えっ!?なんでアルバムさんがいるんだよ!」


機械ネズミのアルバムさんは、車のダッシュボードの上で、小さなバイク型のドローンに乗っていた。


「機械の猫だけじゃ不安だろ。俺もついて行ってやるよ!」

「良いのか?あの地下の秘密基地は?」

「大丈夫だ。1000年見つからなかった基地だぞ」

「いやあの外部記憶装置は?あんなかにお前の本体が入ってるんだろ?」

「もう俺が本体なのか、あっちが本体なのか解らんなくなっててね」

「いやあっちが本体だろう?」

「あっちは所詮過去に過ぎん」


そう言うと、機械ネズミのアルバムさんは、小さなバイク型のドローンで飛行した。

それがどれだけ危険な事とも知らずに。


問題は、元本物のネコ科白虎のバイカルさんだ。

ネコ科の本能なのか、飛翔するその面白い物体を見ると、バイカルさんの目がキラリと光った。


所詮 虎 対 ネズミ 勝負は最初から決まっていたのかも知れない。


グシャ


「ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、俺のペガサス号がぁぁぁぁぁぁぁ」


繊細な作りのペガサス号は、グシャグシャになってしまった。

知能の高いアンドロイドに戻った、バイカルさんは、「はっ!」となり、


「すいません!本当にすいません!」


元人間で、現機械のネズミのアルバムさんは号泣した。

「なぜ100年ぶりの地上に出たら、この仕打ち、俺が何をしたと言うのだ!」


「面白いおもちゃに乗って、元ネコ科の前で飛んでしまった」と正解を言うような、空気の読めない機械猫ではないので、あゆみは静かに頷くだけだった。



つづく



読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、土曜日更新です(σ⁎˃ᴗ˂⁎)σண♡*(ღ*ˇᴗˇ*)。o♡ウットリ♡



機械の猫たち

【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。

【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。


機械のネズミ

【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。

【ペガサス号】アルバムさんの大切な乗り物。
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