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8章 5000年前からの贈り物

6話 愛玩機械は敵なのか?味方なのか?

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『宇宙船内ブリッジ』


錬は今後の事も考えて、シューティングゲームに勤しんでいた。

ほぼ実戦と言って良い程の良質なゲームだ。


「どうせアンドロイドと言っても機械何だし、似たようなもんだろう」

と思ったが、錬は機械の兵隊に配慮して、口にはしなかった。


錬は熱中度を上げゲームに没頭した。



宇宙港の管制コンピューターは、友好的だったし、何の気配もしない宇宙港で、ドアを開けたままにしたのは、油断があったと責めることは出来ないはずだ。


ドアの前で警護していた機械の兵隊は、尻尾を振りながら近づいてくる機械の猫を確認した。


治安維持も兼ねるアローン兵なのだから、機械の猫の情報は当然あるのだが、それが敵なのか味方なのか判断が出来なかった。


ペット。機械の猫は愛玩機械なのだ。

機械の猫も攻撃の意思をしめしていないし、害があるものとは判断が出来なかった。


とりあえず勝手に入られては困るので、壊れないように捕まえようとしたその時、機械の猫はドア内に駆けて行ってしまった。


>!!!!!


対応しようとするアローン兵の頭の上に、機械の猫が降下してきた。

そのまるで訓練された空挺部隊の様な動きに、アローン兵は仲間のアローン兵に信号を送った。


しかしその信号が他のアローン兵に伝わる事はなかった。

その間、10匹の機械の猫の空挺団は、宇宙船の船内に進入を果たしていた。


船内のアローン兵の反応が遅れた理由がもう1つある。


上官と認識している沙羅の不在だ。

通常の作戦行動中のアローン兵なら、配置された優秀な上官からすぐに指示がきていたはずだ。


>愛玩機械は敵なのか?味方なのか?

少なくとも過去に一度も敵と認識した事はなかった。

>愛玩機械とは愛玩するモノ?


>愛玩とは?

>可愛い猫?

>可愛い猫ちゃん?


アローン兵の参謀タイプは苦慮した。そして、

【機械の猫が人類の味方であるなら】

【沙羅は愛玩機械に攻撃命令は出さない】

【間違いだとしても、この程度の戦力なら奪回は可能】

と一応の結論に至った。


そうやって20匹の機械の猫に宇宙船が占拠されるまで、錬は楽しくゲームに没頭していた。


そんな錬の背中に何かが覆いかぶさってきた。


「ヘイ、ボーイ」

錬が耳元でその声が発せられた時には、20匹の機械の猫が宇宙船を占拠完了していた。

「えっ?」


突然の変化に錬は現状を理解できなかった。



つづく



人類たち


【沙羅】この惑星に漂流してきた人類の少女14歳。錬の兄が好き♪

【錬】ゲーム好きな人類の少年13歳。

【知佳】躍るのが好きな12歳の少女


【アローン兵】太陽系最強の機械の兵隊

【機械の猫】きっと重要な何かをしってるはず。


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