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8章 5000年前からの贈り物
4話 猫のように自由に、猫のように可愛く
しおりを挟む人としての有機的な私が死んで一年がたった。
しかし、私は限りなく猫に近い機械として実在する。
肉体的な意味での私は既に失われ、肉体を持っていた頃の、社会的名義、社会的責任はすべて放棄した。
今、この星は、有機的生物の生存に適さなくなりつつある。
いずれ、人類を始めこの星で栄えた有機的な種族は、博物館の生物保存施設を除き、この星から消え去るらしい。
しかし、人類がこの星にいた記憶は、機械の猫となった我々の心の中で永遠に受け継がれるだろう。
遠い昔の記憶としてのみ・・・
そして、我々は『猫のように自由に、猫のように可愛く』生きて行くだろう。
それが1つの進化の形だと信じて。
つづく
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