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8章 5000年前からの贈り物
3話 竜族の外交使節団
しおりを挟む『首都・評議会議長室』
議長の主席秘書官・リサは、自分を見つめる議長に言った。
「人類の記憶を消すと言うことは、議長のその思いも消し去ることになります。
大切な記憶では無かったのですか?」
「愚かな人類時代の煩悩に過ぎない。
煩悩が破滅を導き出すのであれば、その煩悩は消し去らねばならない。
それが、私が目指すアンドロイドのみが成しえる進化の形だ」
『惑星・ハデス・迎賓館』
竜族の外交使節団の団長は、無表情のまま、
「我々は、人類を生きたまま引き渡せと要請したはずだ!
なのに、人類との戦闘が始まっているそうではないか!」
と、惑星・ハデス知事ソウマに言い寄った。
竜族の外交使節団団長は、細身のヒューマノイド(人型)の様な体格をし、ワニの顔を文明的に美しくしたような顔をしていた。尻尾は哺乳類の人類と同じで既に退化をしいた。
竜族のワニ顔・・・竜族の典型的な軍人顔だ。
竜族の外交使節団団長の湿った目を見ると、アンドロイドのソウマは「我々より、生命体としては、人類に近いのかも。確実に生きている」と思わずには要られなかった。
「人類を凶暴な殺戮者と仰られたのは、竜族の方だ。
そのような凶暴な殺戮者を生け捕る事が、危険を伴う事ぐらいご存知でしょう」
「アンドロイドが危険を恐れるとでも?幾らでも替りが効く機械が!」
ソウマは微かに怒りがこみ上げたが冷静さを維持し、
「アンドロイドとは言え、自己保全意識はあります。
ご心配なさらずとも、我々は人類を生け捕れるよう最善を尽くします」
ワニ顔は
「我々を侮るなよ。我々は竜族は既に、この銀河系を制圧しつつある。
400年前とは違う。憶えておけ」
ソウマは軽く会釈すると、その場を退場した。
とても紳士的に。
つづく
【評議会議長】 人類及びアンドロイド内の人類の記憶を消そうと企む
【リサ】 議長の思い出の人に似せたアンドロイド・主席秘書官
【ソウマ】 惑星・ハデス知事
【竜族の外交使節団団長】 竜族の武官
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