『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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6章 人類の反撃

13話 薄ら笑うアンドロイド

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デューカは、その薄ら笑いが気になった。

それは無難な機関銃手の直感が、【警戒すべき案件】と告げていた。
戦場であれば、集中的に弾幕を厚くするべき対象だ。

場を支配する者独特の気配だ。


専務理事タムラの薄ら笑いは、意味がありそうで、なさそうで、その意味の判断に迷った。
デューカのその視線を知ってか知らずか、専務理事タムラはデューカを見ることはしなかった。


「それで現在の状況は?」

コーリーは幹部に聞いた。

専務理事のタムラは、薄ら笑いを止め、

「現在、内務省が抑えている地区は、この公社ビルのみです」

「ここだけ?」

「はい。間違いありません」

「妙だな・・・」


「装甲騎兵2000機も私達に指し向けて出したんだから、機数不足は当然じゃない」
何となく幹部の群れに馴染んだソフィーは、口を挟んだ。まるで古参の幹部のようだ。
デューカはソフィーの適応力に驚いた。


専務理事タムラも、それが当然の様にソフィーに聞いた。

「装甲騎兵2000機は今何処に?」

「心配しないで、粒子に返したから」

「粒子に?」


「俺達が粉々にやっつけたって事だよ」

ソフィーに変わってデューカが答えた。


「装甲騎兵2000機を倒したのか?」


「まあな」


デューカは、自分を見る幹部たちの目の色が変わったように見えた。
機械の目が変わるはずではないのだが。

「意外と単純な連中」とデューカは呟いた。

結局、結果は偉大だ。


ただ専務理事タムラだけは、また微かに薄ら笑った。





つづく


いつも読んで頂き、ありがとうございます。
毎週、日曜日に更新です O(≧∇≦)O イエイ!!



登場アンドロイド


反乱軍・サイン・コサイン・タンジェント 


★ソフィー 反乱軍サインを引きるリーダー
★デューカ ソフィーの相方 無難な機関銃手

★コーリー博士 反乱の首謀者
★銀次     自称・コーリーの忠臣  

★アレム神父  反乱のきっかけを演説をした神父

★専務理事のタムラ 薄ら笑う公社幹部
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