『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

文字の大きさ
上 下
113 / 243
6章 人類の反撃

12話 えへっ

しおりを挟む
『サマルカンド・鉱物資源企業団公社ビル』


公社ビルのロビーに備え付けられている大きなスクリーンには、まだサマルカンド市内で繰り広げられている暴徒と治安当局との小競り合いが映されていた。

ソフィーは浮かない表情で、横目でその様子を見ながらロビーを通り過ぎた。



『最上階・会議室』

コーリーは内務省職員のエミーと警備員に告げた。

「一般職員は居ない方がいい。知ってしまうと君にも危害が及ぶ」

「了解」

エミーは敬礼をすると、幹部が拘束されている会議室には入らず、廊下で待機した。



企業団公社幹部が拘束されている部屋に入ると、幹部達は一斉に

「コーリー博士!」

と安堵の表情を見せると、コーリーの元へ駆け寄った。




「時と場合によっては、コーリー博士も信頼されてるようで・・・」

デューカはチクリと言った。銀次は、

「デューカの場合、時と場合に関わらず信頼されてないからな、なっ」

と言ってソフィーを見た。

ソフィーは一瞬、戸惑った。銀次は、

「ほら、今の一瞬の戸惑いは、いまいち信頼してないって顔だろ」

「そうなのか?ソフィー?今の戸惑いは、俺の事信頼してないのか?」

「えへっ」


「『えへっ』じゃねーよ!」

「ざま~!無難なデューカ」

銀次は絶賛喜んだ!




コーリーは

「取り合えず座ろう」

と言うと広い会議室の奥の椅子にソフィーと幹部達を座らせた。

「で、現状は?」

幹部は

「その前に、こちらは?」

とソフィーと多分デューカかも含む見知らぬ二機について尋ねた。


「あんたらの末端で働いてる働き者だよ」

無難なデューカは、言った。


ソフィーに信頼されていないかも知れないデューカを、幹部たちは一瞥した。





つづく




いつも読んで頂き、ありがとうございます。
毎週、日曜日に更新です O(≧∇≦)O イエイ!!



登場アンドロイド


反乱軍・サイン・コサイン・タンジェント 


★ソフィー 反乱軍サインを引きるリーダー
★デューカ ソフィーの相方

★コーリー博士 反乱の首謀者
★銀次     自称・コーリーの忠臣  

★アレム神父  反乱のきっかけを演説をした神父
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦争と平和

澤村 通雄
SF
世界が戦争に。 私はたちの日本もズルズルと巻き込まれていく。 あってはならない未来。 平和とは何か。 戦争は。

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?

俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。 この他、 「新訳 零戦戦記」 「総統戦記」もよろしくお願いします。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...