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6章 人類の反撃
5話 天空にいる人類と10000分の1だけの繋がり
しおりを挟む「後ろにも宇宙船が来たよ。」
ロクの言葉に、サラが監視モニターを見ると、既にサラたちを乗せた宇宙船は5機の宇宙船に囲まれていた。
サラは嫌な汗が流れた。
隣でサラの焦りを感じたロクだったが、まだサラの手を握って上げるスキルはなかった。
仕方なくサラは1人拳を握りしめた。
無線回線モニターには、ヤーシャのニヤついた顔が映っていた。
そのアンドロイドの顔は、やたら人間味にあふれていた。
悪い意味で。
『サマルカンド・鉱物資源企業団公社ビル前』
空は厚い雲に覆われ、青空は見えなかった。
強い風が、宇宙港のある街に吹き荒れていた。
久しぶりにエミーに会ったコーリーは、よほど嬉しいらしく笑顔を崩さなかった。
ソフィーはそのコーリーを引き寄せた。
「こんなに内務省がわんさかで、うちの子たち(アローン兵)の補給は受けられるの?」
「内務省が押さえているのは、このビルと幹部連中だけだ。
工場や補給施設までは押さえていない。
いいか、今は幹部連中に会って現状を把握するのが先だ、そんな焦る必要もないだろう?」
「私が焦ってる?」
ソフィーは呟き、ふと空を見上げ、天空にいる人類を思った。
距離があり過ぎて、人類の宇宙船内にいるアローン兵との繋がりは、気象状況に左右され通常の10000分の1程度だ。
その10000分の1の繋がりで、ソフィーの心と人類の少女が繋がっているような気がした。
今、ソフィーの心に広がっている【焦り】は、きっと人類の少女から伝わってきた想いのような気がした。
それが、あまりにも人間味に満ちていたから。
良い意味で。
つづく
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