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5章 最近、強くなった太陽風のせいかも知れない。
17話 欠落した記憶
しおりを挟む『渓谷・B地点』
【ソフィーと参謀の直通回線】
「私の意志はあなたの意志です・・・ってどういう事?」
「申し訳ありません。この件に答える為の記憶情報は、欠落しております」
「『私の意志はあなたの意志です。』と言った意味が、自分でも解らないと?」
「はい、その様です。」
「じゃあは、ハミルに語っていた『反乱分子サイン』ってのは何?」
「申し訳ありません。この件に関しても答える為の記憶情報は、欠落しております。」
「じゃあ、あなたは知りもしない事を、ペラペラとしゃべったって事?」
「申し訳ありません。私にもよく解りません」
ソフィーは参謀の記憶回路を探った。
記憶が消去された形跡はあったが、参謀が消去した形跡はみつからなった。
何者かが、アローン兵の思考に介入したのだろう。
「誰かがあなたの思考回路に介入している可能性は?」
「通常の通信回線では不可能です。」
「通常?通常の通信回線以外の通信手段があるの?」
「申し訳ありません。この件に関しても答える為の記憶情報は、欠落しております。」
評議会のどこかの部署が、何らかの暗号キーを持っていて、介入しているのか?
私たちの動きを探るために?
その為に貴重な精鋭を犠牲にするか?
烏合の衆に等しい反乱軍の為に?
介入者の目的は他にあるのか?
どうする・・・私・・・
しかし、誰だか知らないが、機械の兵隊の思考回路とは言え、簡単に記憶を消してしまう行為は、とても不安にさせる。
記憶の確実性は、過去の自分と今の自分を繋ぐ重要な要素なのに・・・
ソフィーは、アローン兵の視覚を使って、破片と化し土に還ったハミルと装甲騎兵2000機を見渡した。
心の奥で、回転し続ける何かが、ソフィーの不可解な不安を煽った。
つづく
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