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5章 最近、強くなった太陽風のせいかも知れない。
10話 思考処理速度の快楽
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『サマルカンド郊外・峡谷』
霧は更に濃くなり、アンドロイドたちの視界を奪った。
装甲騎兵を従えたハミルは、アローン兵たちが放置されている場所へと、足を進めた。
雲行きが怪しくなった空には、稲光が輝き、装甲騎兵たちは空を見上げた。
装甲騎兵とは言え、頭上に雷が落ちれば、頭脳の電子機械が一瞬で焼け焦げてしまう。
アローン兵1000機は、うっそうと茂った草地にスクラップの様に放置されていた。
「一機、いくらすると思ってんだ。誰だか知らんが、栄光あるアローン兵をこんな目に合わせやがって。」
装甲騎兵の一機が呟いた。
青い視野レンズの参謀兵に率いられた、その栄光あるアローン兵5000機が、ハミルと装甲騎兵2000機を静かに包囲しつつあった。
谷の底へと降りていく、ソフィーの思考回路に直通回線が繋がった。
「・・・内務省部隊の通信遮断、完了・・・」
「・・・空軍の通信遮断、完了・・・』
「・・・了解・・・」
身を潜めたソフィーのすぐ目の前には、装甲騎兵たちをサマルカンドから搭載して来た車両と、それを警護する僅かな装甲騎兵が見えた。
深い霧に遮られた空軍のサーチライトが、ソフィーの周辺を薄っすらと照らした。
「作戦開始!」
ソフィーの命令と同時に、ソフィーの思考回路の中に、一斉に動き出した12000機のアローン兵の、視覚、聴覚、触覚情報が流れ込んだ。
そして、ソフィーの思考処理速度は、通常の1000倍に達した。
その処理速度は、もちろん違法だ。
思ったことが、想像を超えるスピードで動く快感。
12000機を同時に動かす快感は、今まで感じた事がなかった。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
毎週、土曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
霧は更に濃くなり、アンドロイドたちの視界を奪った。
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装甲騎兵とは言え、頭上に雷が落ちれば、頭脳の電子機械が一瞬で焼け焦げてしまう。
アローン兵1000機は、うっそうと茂った草地にスクラップの様に放置されていた。
「一機、いくらすると思ってんだ。誰だか知らんが、栄光あるアローン兵をこんな目に合わせやがって。」
装甲騎兵の一機が呟いた。
青い視野レンズの参謀兵に率いられた、その栄光あるアローン兵5000機が、ハミルと装甲騎兵2000機を静かに包囲しつつあった。
谷の底へと降りていく、ソフィーの思考回路に直通回線が繋がった。
「・・・内務省部隊の通信遮断、完了・・・」
「・・・空軍の通信遮断、完了・・・』
「・・・了解・・・」
身を潜めたソフィーのすぐ目の前には、装甲騎兵たちをサマルカンドから搭載して来た車両と、それを警護する僅かな装甲騎兵が見えた。
深い霧に遮られた空軍のサーチライトが、ソフィーの周辺を薄っすらと照らした。
「作戦開始!」
ソフィーの命令と同時に、ソフィーの思考回路の中に、一斉に動き出した12000機のアローン兵の、視覚、聴覚、触覚情報が流れ込んだ。
そして、ソフィーの思考処理速度は、通常の1000倍に達した。
その処理速度は、もちろん違法だ。
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12000機を同時に動かす快感は、今まで感じた事がなかった。
つづく
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