『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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4章 デユーカに迫る惑星最強殺戮兵器

20話 ドレス

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『首都郊外・地下鉄遺跡』



ソフィーは銀髪のアンドロイドの拘束を解いた。



「民兵組織への合流は認めよう。ただし条件がある。」



銀髪のアンドロイドは、関節の動きを確かめ、

「何なりと。」


「アローン兵の指揮権は渡さない。


そして、鉱物資源企業団の民兵組織の指揮下には入らない。


しかし友好的な関係は認める」


「それでは、合流とは言えない。企業団はそっちに、


補給とメンテナンスを提供しようと言うんだぞ。


貰うものだけ貰って、我々の指揮下に入らないとは、


盗賊集団に等しい。」


「どう思おうと、そちらの勝手だ。


こちらの条件を飲めないので在れば、


我々は今すぐ空軍基地を襲い、宇宙へ旅立つ。」


銀色の髪が光を放った。光ファイバーの様な物だろう。


それで、戸惑い、もしくは怒りを表したつもりなのだろうか?



ソフィーはその安っぽい仕掛けに笑いそうになった。


しかし、銀髪のアンドロイドは、かなりのドヤ顔だ。



「俺の一存では、決められない。」


「あなたの一存で、今、決めろ。戦いは速度が命だ。


一々上の意見を聞いていては、戦いには勝てない。」


銀髪を輝かせながら銀髪のアンドロイドは、

シンキングタイムに入った。


ソフィーは、アローン兵に指示して、

地下鉄遺跡に設置した照明を消させた。

すると銀髪は、光り輝くイソギンチャクの様に、

ちょっとだけ幻想的に見えた。


「おお!」

デューカは、感嘆した。


「お前ら、馬鹿にしてんだろ!」


怒った銀髪は光を失った。

ドヤ顔から、気まずい顔になった銀髪は、



「解った。条件を飲もう。」


「後、1つ。」


「何だ?」


「私の顔を作れる技師を、手配して欲しい。」



銀髪のアンドロイドは、鉄兜の様な、


ヘルメットを被っているソフィーを見て



「そのくらいなら、今すぐにでも手配しよう。


俺だって前のソフィーの方が気に入っていた。」


ソフィーは微笑むと、


「アローン兵1万2千機揃い次第、サマルカンドに向けて出立しよう。」


と。



『地下鉄遺跡・地上』


技師によって、昔の優しげな面影の表情を取り戻したソフィーは、


気の利いた技師が持参したドレスを、何千年ぶりに纏うと、


人類が残した遺跡から、西都サマルカンドの方角を見つめた。



ソフィーの元へ、青い視野レンズの参謀兵が駆け寄り、


アローン兵1万2千機が、揃った事を告げた。


ドレス姿のソフィーを見て、機械の参謀が何を思ったのかは、

何も読み取れなかった。


ただその青い視野レンズが、夕焼けの光を浴びて、


優しく輝いていたのだけは、確認できた。




つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、土曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!


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