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4章 デユーカに迫る惑星最強殺戮兵器

17話 生卵とゆで卵

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『首都郊外・地下鉄遺跡』




「感動の再会はいいが、今、そんな感動に浸っている場合か?」


アローン兵に羽交い絞めにされたままの、銀髪のアンドロイドは言った。



「デューカくんさ、今更なんだけど・・・・」


「うん、何、何でも言ってソフィーちゃん」


「5000年前、私の家の冷蔵庫の生卵、全部ゆで卵にしたの、デューカくんでしょう」


「かなり、今更だねー、人類の滅亡とか色々あって、そんでもって今更その話をする?」


「それは、それよ」


「それは、それ!?」



「何が起ころうが、冷蔵庫の生卵がゆで卵になってたら、『なんじゃこれー!』ってなるよね。」


「まあね。」



「・・・ていうか、人類が滅亡しかけていた時に、冷蔵庫の生卵を茹で卵にしようとする奴の方が驚きでしょう?」


「まあね。その筋はごめん。」


「あの時、全部がゆで卵だと解ったときは、さすがに笑ったよ」


「おい!」


銀髪は怒鳴った。そして、


「・・・ってお前ら、俺を無視してそんな話をするなよ!馬鹿じゃねーの?」



デューカは、銀髪のアンドロイドを一瞥すると、



「この件は俺に任せろと言った筈だ。尾行などして。


まあ、最初からお前の事など信じちゃいないけどな。」



「俺だって最初からアホのデューカなど、どうだっていい。用があるのはソフィー、あんただ」


ソフィーは、青い視野レンズの自らの参謀を一目見ただけで、銀髪のアンドロイドの存在自体を無視した。


「俺も嫌われた物だ。」

銀髪は嘆いた。



青い視野レンズのアローン兵が、

「私が代わりに、お話を伺いましょう。」

とやたら丁寧に言った。



「お・・・お・・・」


銀髪はアローン兵にビビった。


デューカは恐怖の混じった顔で、アローン兵の参謀を見た。そして、

「話すのか?アローン兵が・・・?」


「ある程度はね」





『西都・サマルカンド』


サマルカンドの民衆蜂起は、装甲騎兵によって一時小康状態に至った。

上空には、空軍のパトロール機が旋回していた。



鉱物資源企業団公社ビル地下倉庫


アレム神父とコーリー博士は機密部品倉庫内に身を潜めた。



表情を消して意気消沈しているように見えるアレム神父に、


コーリー博士は

「もうしばらく、待っていただければ、


陽のあたる場所へ出ることが出来ます。」

と励ました。



アレム神父は、静かに苦笑した。


つづく




いつも読んで頂き、ありがとうございます。

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