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4章 デユーカに迫る惑星最強殺戮兵器
8話 宇宙ステーション・アントン
しおりを挟む『宇宙ステーション・アントン』
宇宙ステーション・アントンの管理官ケイは、
目の前に広がる巨大な青い星を、じっと見つめた。
「あの人類に似た生命体を乗せた宇宙船の件、
まだ地上は何も言ってこないのか?」
管理官ケイは部下のヤーシャに聞いた。
「教会が未だ抵抗して、議会は膠着状態の様です。
何せ相手はヒューマノイドですからね。
教会が抵抗するのも解ります。」
「いったい教会は年千年時代に遅れているのやら・・・。」
「管理官・・・あの人類に似た生命体についての噂を、ご存知ですか?」
「噂?」
「飽くまで噂ですが、
『あの人類・・・人類に似た生命体ではなく、
本当に我らの創造主人類なのではないか。』
と言う噂です。」
ケイは苦笑した。そして、
「馬鹿な・・・我らの創造主人類は5000年前に滅んだはずだ。
それに、我らの創造主があんな野蛮人な訳があるまい。」
「飽くまで噂です。」
ケイは部下思いの上官らしく、愛想良く頷いた。
・・・これ以上、この話題に関わりたくない・・・
その愛想の良い態度には、
そんな思惑をヤーシャは感じた。
こうやってこのアンドロイドは、
誰にでも愛想よく振る舞い、触らぬ神に祟りなし精神で、
今の地位を維持している。
管理官の愛想の良さは嫌いではない。
・・・が、ヤーシャは続けた。
「『彼らは、異空間操作を誤り、
遥か彼方の銀河系から弾き飛ばされ、
この惑星に漂着した。』でしたよね。
本当は距離軸は飛ばされず、時間軸だけが飛ばされた。
とすれば、納得ができません?」
「確かに理論上は出来ないこともない。
しかし、正確に同じ場所に戻ることなど不可能だ。」
「この説が納得行かないのでしたら、もう1つの説があります。」
ケイはヤーシャから目をそらして、青い星を見つめた。
ヤーシャは、続けた。
「5000年前、この星の人類が滅亡する前、
どこかの惑星目指して脱出した。
それが何らかの理由で、今この惑星に帰還した。
どうです?この説ならまんざら信じられなくもないでしょう。」
「人類が住めそうな星が無い訳ではない。
しかし、その惑星に着いたからと言って、
その惑星に人類が適応できる可能性は、非情に低い。
その危険性を冒す位なら、サイボーグ化、そしてアンドロイド化して、
この星に留まった方が何十倍も安全だ。」
「それは我々アンドロイドの考えで、
有機生命体の人類は、
危険を冒してでも種の保全をしたかった。」
「種・・・・か。」
ケイは、創造主人類とその後継のアンドロイド達を生み出した
母体惑星を見つめながら言った。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。O(≧∇≦)O イエイ!!
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