52 / 243
3章 ラッキーボーイのデューカくん
12話 はい。その様です。
しおりを挟む
ー鍾乳洞最深部ー
ソフィーはアローン兵の目を借りながら、
鍾乳洞の奥へと歩みを進めていた。
自分自身の姿を確認しながら、
自分ではない視点で、動くのはちょっと不思議な気分だ。
見ている対象物の中に自分が存在していて、
それは他者のようであるが自分自身。
「あっ!」
自分が小石に躓いて、かなり派手に転んだ。
周りのアローン兵たちが、すぐに自分を立ち上がらせてくれた。
「ありがと」
立ち上がった自分は、そう言った。
鍾乳洞入り口付近から、爆音が響いてきていた。
カーン少佐配下の装甲騎兵達が、仇を討つために、
鍾乳洞内に侵入し仕掛けれた、
トラップに接触した為に起きた爆音だろう。
「機械の癖に感傷的になって、闇雲に突進していると見える。」
ソフィーは黒い装甲を纏った参謀兵に言った。
「はい。その様です。」
「そっけない・・返答。」
戦うことしか知らないから、仕方ないか。思えば悲しい機械達。
背後のかなり近い距離で、爆音が聞こえた。
ソフィーの意思に反応した最後尾のアローン兵が、
素早く背後を振り返り暗闇を凝視した。
「ご安心下さい。ここへ通じる通路を塞ぐために、岩盤を爆破した音です。」
指示していないのも関わらず、勝手に爆破?
人工知能搭載されてないはずだが、
それとも事前にプログラムされていた戦術プログラム?
人工知能プログラムと言っても、ピンきりだし・・・
まあいい。
「奴らは出口の無い迷宮を、私を追いかけて彷徨い続けるって訳か。」
「はい。その様です。」
参謀は、またそっけなく答えた。
ソフィーは微笑んで、
「はい。その様です。」
と真似てみた。
参謀がどう反応するのか、いくつかのアローン兵のカメラを使って、
その様子を伺った。
参謀兵はどう返答してよいのか解らず、数秒の沈黙の後、やはり
「はい。その様です。」
と再びそっけなく答えた。
「だよね・・・。」
ソフィーがまた真似をしようか迷っているうちに、
ソフィーの前方にいるアローン兵が、古めかしい扉をこじ開けた。
そのアローンの目を通じて、ソフィーは目の前に広がる、
古い遺跡の様な光景を目にした。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
ソフィーはアローン兵の目を借りながら、
鍾乳洞の奥へと歩みを進めていた。
自分自身の姿を確認しながら、
自分ではない視点で、動くのはちょっと不思議な気分だ。
見ている対象物の中に自分が存在していて、
それは他者のようであるが自分自身。
「あっ!」
自分が小石に躓いて、かなり派手に転んだ。
周りのアローン兵たちが、すぐに自分を立ち上がらせてくれた。
「ありがと」
立ち上がった自分は、そう言った。
鍾乳洞入り口付近から、爆音が響いてきていた。
カーン少佐配下の装甲騎兵達が、仇を討つために、
鍾乳洞内に侵入し仕掛けれた、
トラップに接触した為に起きた爆音だろう。
「機械の癖に感傷的になって、闇雲に突進していると見える。」
ソフィーは黒い装甲を纏った参謀兵に言った。
「はい。その様です。」
「そっけない・・返答。」
戦うことしか知らないから、仕方ないか。思えば悲しい機械達。
背後のかなり近い距離で、爆音が聞こえた。
ソフィーの意思に反応した最後尾のアローン兵が、
素早く背後を振り返り暗闇を凝視した。
「ご安心下さい。ここへ通じる通路を塞ぐために、岩盤を爆破した音です。」
指示していないのも関わらず、勝手に爆破?
人工知能搭載されてないはずだが、
それとも事前にプログラムされていた戦術プログラム?
人工知能プログラムと言っても、ピンきりだし・・・
まあいい。
「奴らは出口の無い迷宮を、私を追いかけて彷徨い続けるって訳か。」
「はい。その様です。」
参謀は、またそっけなく答えた。
ソフィーは微笑んで、
「はい。その様です。」
と真似てみた。
参謀がどう反応するのか、いくつかのアローン兵のカメラを使って、
その様子を伺った。
参謀兵はどう返答してよいのか解らず、数秒の沈黙の後、やはり
「はい。その様です。」
と再びそっけなく答えた。
「だよね・・・。」
ソフィーがまた真似をしようか迷っているうちに、
ソフィーの前方にいるアローン兵が、古めかしい扉をこじ開けた。
そのアローンの目を通じて、ソフィーは目の前に広がる、
古い遺跡の様な光景を目にした。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?
俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。
この他、
「新訳 零戦戦記」
「総統戦記」もよろしくお願いします。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる