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3章 ラッキーボーイのデューカくん
6話 青の都
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青・・・シアン色と呼ばれる青緑。
商都サマルカンドは、青の都と呼ばれるだけあって、
ほぼ青に埋め尽くされていた。
惑星首都との整然さとは違い、
商都サマルカンドは、騒然とした活気に満ち溢れていた。
一般の労働型アンドロイドが、
自らが所属する都市から他の都市へ行く事は、
ほとんど無かった。
特別な制限がある訳ではないが、
行こうと思う気が起こらなかった。
「記憶更新の際、
思考や価値観を変えられているのかもしれない。」
デューカは今まで感じたことが無い、
新鮮な感覚を感じながら思った。
「記憶の改変の可能性を認識するだけで、
こうも感覚が変わってくるのか。」
太陽に照らされたシアン色のサマルカンドは、
眩しく輝いて見えた。
「ソフィーやサムエルも、
あの工業地帯以外の景色を知っていれば、
絶望に捕らわれることも無かったのに・・・」
街の外れにある宇宙港から、
鉱物資源運搬用の貨物宇宙船が、
空を目指して飛び立って行く姿が見えた。
デューカはその勇姿に見とれると同時に、
何かの違和感を感じた。
まだ人だった時の柔らかい感触だ。
「人だった頃の感覚に違和感を感じるなんて・・・」
そう思うと、思考回路の底から深い悲しみが、
湧き上がった。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
商都サマルカンドは、青の都と呼ばれるだけあって、
ほぼ青に埋め尽くされていた。
惑星首都との整然さとは違い、
商都サマルカンドは、騒然とした活気に満ち溢れていた。
一般の労働型アンドロイドが、
自らが所属する都市から他の都市へ行く事は、
ほとんど無かった。
特別な制限がある訳ではないが、
行こうと思う気が起こらなかった。
「記憶更新の際、
思考や価値観を変えられているのかもしれない。」
デューカは今まで感じたことが無い、
新鮮な感覚を感じながら思った。
「記憶の改変の可能性を認識するだけで、
こうも感覚が変わってくるのか。」
太陽に照らされたシアン色のサマルカンドは、
眩しく輝いて見えた。
「ソフィーやサムエルも、
あの工業地帯以外の景色を知っていれば、
絶望に捕らわれることも無かったのに・・・」
街の外れにある宇宙港から、
鉱物資源運搬用の貨物宇宙船が、
空を目指して飛び立って行く姿が見えた。
デューカはその勇姿に見とれると同時に、
何かの違和感を感じた。
まだ人だった時の柔らかい感触だ。
「人だった頃の感覚に違和感を感じるなんて・・・」
そう思うと、思考回路の底から深い悲しみが、
湧き上がった。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
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