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3章 ラッキーボーイのデューカくん

2話 めっちゃ善良なアンドロイドは私で~す

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「空軍め!勝手なことを!
反乱分子の首謀者を消してしまっては、
奴らの全貌が掴めんではないか!」

カーン少佐は、司令部塹壕で起こった爆撃の煙を、
見ながら怒鳴った。

「一体誰の命令・・・・・」

・・・・もし、議長の命令なら、
これ以上の発言は控えた方が良いだろう。

政治将校に聴かれでもしたら、
消去されかねない。

カーンは、何気に周囲を見渡した。
政治将校の姿は見えなかった。

カーンは安堵した。
敵は前にだけいる訳ではない。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


デューカは暗闇の中、光が降り注ぐ光景を、
見つめていた。

「死後の世界?・・・俺達機械も死後の世界があったのか?」

と思いながら、その光の輝きを眺めていると、
光の中で何かが動いた。

「天使?俺、天国に行けるの?
善良かと言うと、微妙な生き方をしてきたけど・・・
でも、そう言う事なら絶賛歓迎!!!

イエーイ天使さま~
めっちゃ善良なアンドロイドは私で~す。

天使さま~、わたくしデューカは、
ひたすら善行を心掛けて生きて参りました。
天使さまに、お会いできて光栄です」

しかし、暗闇の中に銃声が響き渡った。

「違う!敵か!俺は生きていたって訳か・・。」
素早く身を翻そうとしたが、身体のあまりのぎこちなさに、
デューカは慌てた。

必死でどうにか側にあった柱らしきものに身を隠した。

柱を見ると、乳白色をしていた。

「鍾乳洞か」

司令部塹壕の下には鍾乳洞が広がっており、
司令部直撃の爆撃により、地表が崩れ落ちたらしい。

「地下の鍾乳洞を、知らずに爆撃したのか?
それとも知ってて?まあ良い・・・」

デューカは微笑み、生の実感を感じた。

そして、自らの悪運に感謝した。

さらに生きているであろう仲間たちの、悪運にも・・・


「ソフィーは?」

デューカは薄暗い鍾乳洞に目を凝らした。

薄暗い暗闇の中、地下水を跳ねながら走り回る機械の音が、
複数聞こえた。

「ソフィーも生きているかも」

鍾乳洞の天井に開けられた穴から、
重々しい装甲騎兵が降下してきた。

デューカは機銃を取ろうとしたが、
鉄の破片が突き刺さった右手は、機銃を握ることは出来なかった。

仕方なくデューカは、鍾乳洞の奥へ逃走した。



つづく

いつも読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、木曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
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