38 / 243
2章 退化する世界の中で・・・
18話 トラップと熱狂
しおりを挟む
森林に仕掛けたトラップが爆発するたび、
南側塹壕では歓喜の声が上がっていた。
仲間のアンドロイドたちが熱狂する中、
サムエルは、目の前に広がる森林の中で起こる、
爆発の閃光を、見つめていた。
「陸軍の連中め、俺が仕掛けたトラップに、
引っ掛かりやがった。 素人が作ったトリップの、
その素人さが逆にプロの兵士のマニュアルに無かった分、
成果を挙げたって事か!
まあ、あえて素人ぽくトラップを仕掛けたのだが!」
そう言うサムエルの目は自信に満ちていた。
目の前で繰り広げられている、
森林の爆発の数は徐々に増えていった。
「爆発の規模から考えて、
2、3個連隊の動きは封じたはず・・・と言う事は、
この混乱に乗じて押せば、この戦い勝てるかも・・・」
トラップによる爆発は30分程続いた後、静けさが訪れた。
東側塹壕、西側塹壕から聞こえていた銃声も、止んだ。
サムエルは塹壕にいる仲間と目を合わせた。
「まさか陸軍か壊滅した?それとも撤退したか?」
無口なアインは頷いだ。サムエルは無線を取り
「ソフィー、戦況は?」
しかし、無線に出たのはデューカだった。
「はぁ?戦況?まだ解らねーよ!
とりあえずソフィーとは、いい感じでやってるよ!」
「!」
冗談だと解っていても、サムエルはムカッとした。
さらにその冗談に、返せない自分にもムカッとした。
サムエルは、無線をきると、思考回路を落ち着かせて、
静まり返った森林を見つめた。
「敵情を偵察してこよう。」
サムエルの発案に、無口なアインが珍しく
「ソフィーに連絡をした方が・・・・。」
「必要ない。トリップの戦果を見たらすぐに帰還する。」
塹壕にいた勝利に酔ったアンドロイド達が、
「俺も行くぜ!」
「奴らの残骸は大好物だ!」
「陸軍ちょろいな!ちょろ過ぎて発狂しそうだぜ!」
と言ってくれた。サムエルの頬から笑顔がこぼれた。
サムエルは塹壕に待機していた数の半数の20機と伴に、
塹壕を抜け静まり返った森林に向かった。
無口なアインはその後姿を、心配そうに見つめた。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
南側塹壕では歓喜の声が上がっていた。
仲間のアンドロイドたちが熱狂する中、
サムエルは、目の前に広がる森林の中で起こる、
爆発の閃光を、見つめていた。
「陸軍の連中め、俺が仕掛けたトラップに、
引っ掛かりやがった。 素人が作ったトリップの、
その素人さが逆にプロの兵士のマニュアルに無かった分、
成果を挙げたって事か!
まあ、あえて素人ぽくトラップを仕掛けたのだが!」
そう言うサムエルの目は自信に満ちていた。
目の前で繰り広げられている、
森林の爆発の数は徐々に増えていった。
「爆発の規模から考えて、
2、3個連隊の動きは封じたはず・・・と言う事は、
この混乱に乗じて押せば、この戦い勝てるかも・・・」
トラップによる爆発は30分程続いた後、静けさが訪れた。
東側塹壕、西側塹壕から聞こえていた銃声も、止んだ。
サムエルは塹壕にいる仲間と目を合わせた。
「まさか陸軍か壊滅した?それとも撤退したか?」
無口なアインは頷いだ。サムエルは無線を取り
「ソフィー、戦況は?」
しかし、無線に出たのはデューカだった。
「はぁ?戦況?まだ解らねーよ!
とりあえずソフィーとは、いい感じでやってるよ!」
「!」
冗談だと解っていても、サムエルはムカッとした。
さらにその冗談に、返せない自分にもムカッとした。
サムエルは、無線をきると、思考回路を落ち着かせて、
静まり返った森林を見つめた。
「敵情を偵察してこよう。」
サムエルの発案に、無口なアインが珍しく
「ソフィーに連絡をした方が・・・・。」
「必要ない。トリップの戦果を見たらすぐに帰還する。」
塹壕にいた勝利に酔ったアンドロイド達が、
「俺も行くぜ!」
「奴らの残骸は大好物だ!」
「陸軍ちょろいな!ちょろ過ぎて発狂しそうだぜ!」
と言ってくれた。サムエルの頬から笑顔がこぼれた。
サムエルは塹壕に待機していた数の半数の20機と伴に、
塹壕を抜け静まり返った森林に向かった。
無口なアインはその後姿を、心配そうに見つめた。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、日曜日更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説



どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?
俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。
この他、
「新訳 零戦戦記」
「総統戦記」もよろしくお願いします。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる