『遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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2章 退化する世界の中で・・・

4話 「えへ♡」

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発電所のホールの天井が爆発崩壊し、


天井からアローン兵が乱射しながら降ってきた。



「馬鹿かこいつら!


本業の俺ら以上の破壊魔じゃねーか!」



アローン兵の意表を突く攻撃に、


デューカの弾幕は、さらに無難を極めた。



「無難最高ー!」



その発言は、反乱軍として相応しいのか?


むしろ制圧する側の方が向いているのではないのか?



そんな意見も聞かれる、デューカの無難な弾幕の前に、


アローン兵の英雄的行為は、制圧されていく。



「あれ?」



デューカの呟きの後、第1ホールは静けさに包まれた。



「え?」



無難な弾幕の音は消え、ソフィーも銃撃を止めた。



アローン兵が動きを止めたのだ。


多分、アローン兵は、ソフィーの姿を確認して、


動きを止めたらしい。



「お前・・・なんか凄いな」って目でデューカは、


ソフィーを見た。



ソフィーは、「えへ♡」とか言ってる状況じゃないので、


デユーカを無視して、アローン兵を見つめた。



「・・・」デューカは意味なく、頷いた。





第1ゲート前のホールにも、


警備兵の射撃の音が徐々に近づいて来た。



「ソフィー、俺達も撤退しようぜ。」



ソフィーは、目の前で、


遊園地のアトラクションの様に動きを止めている、


黒い装甲のアローン兵をじっと睨んだ。



アローン兵から何かの意思を読み取ろうとしたが、


意思を持たないアローン兵からは、


何も読み取ることは出来なかった。



「デューカ、撤退信号を出せ!」


発電所内に、一般的なアンドロイドには聞こえない、


非可聴周波数の汽笛の様な音が鳴り響いた。



デューカは

「気分の悪い音だ。」

と言うと殿部隊を招集した。



敗走するソフィー達に、警備兵は容赦のない攻撃を加えてきた。



デューカが指揮する、


三手に別れた殿部隊の反撃の間をぬって、


反乱軍の主力部隊は、森の中に駆け込んだ。



ソフィーが森の影に身を潜めていると、


第4ゲートから敗走してきたニナが、ソフィーの元に駆け込んできた。


ニナの右手は粉々に砕け散っていた。


「どう言う事!アロちゃん達は味方じゃなかったの?」


「ごめん・・・」




ニナの背後で発電所が、


オレンジ色の炎を上げて爆発を起こした。


ソフィーは、慌てるニナをかばいながら地面にせた。



つづく


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