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1章 黄昏の始まり

15話 恋い焦がれる森林

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鉱物資源運搬用のトラックは、森を突っ切る一本道を疾走した。



有機生命体の大量絶滅から数千年、


大量絶滅を種子の形で生き残った植物は、


大量絶滅以前の規模に戻っていた。



しかし、動物は大量絶滅を乗り越えることが出来ず、


森は完全な静寂に包まれていた。





「この植物だけの森が、


有機生命体の到来を恋焦がれている様に私には思えます」



アレム神父の問いに、誰も答えなかったが、神父はさらに続けた。



「この森が我々機械をどう思っているのか、考えた事在ります?」




銀色の髪の大型作業員は

「感傷的・・・さすが人類を崇め奉る教会の神父様・・・。」

と言った。



アレム神父が押し黙ってしまったので、銀色の髪の大型作業員は

「皮肉を言ってるように聞こえました?


誤解です。そういうつもりは全くないです。」

と弁明した。



コーリー博士は

「我々機械は電力と鉱物資源さえ在れば、生き続けられる。


我々に関係の無い森の事なんか考える必要なんて無いでしょう。


我々機械に必要なのは鉱物資源と電力のみです。」

と言った。



アアレム神父はため息を着いた。と言っても、機械なので息は出ないのだが、


「森に興味が無い?


森こそ有機生命体の故郷とも言うべき存在・・・・それに興味が無いとは、


コーリー博士、あなたは本当にあの人類に似た生命体に興味が、在るのですか?」

と聞いた。



コーリー博士は

「在りますよ。あなたとは違う意味ですがね。


その件はまた後で話し合いましょう。ほら、見えてきました。」

と言った。



コーリー博士の視線先には、巨大な煙突を持つ発電所が見えてきた。



つづく


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