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1章 黄昏の始まり
14話 機体に宿る魂?
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鉱物資源運搬用の大型トラックは、
暗闇の中、ライトも着けずに疾走した。
コーリー博士は、不満げなアレム神父にフォローを入れた。
「アレム神父・・・
完全な記憶とまでは行きませんが
彼らの記憶のバックアップは予め録ってあります。
新たな機体があればいつでも彼らは、ほぼ再生することが出来ます」
「ほぼ?」
「日常生活には支障は来しません」
「!」
「神父は本当に政府が今も、
記憶再生技術を保持しているとお思いですか?」
「?」
「我々の文明は退化し続けています。
すでに高度化しすぎたアンチコピー技術は、
誰も完全に制御している者はいません。
我々と政府の技術の差は、程度の差ですよ。」
「そうだとしても・・・・魂は、
機体に宿る魂は継承されていくものです。」
「機体の神聖化・・・・
人類と同じような価値観で生き続けようとするなど、
愚かしい事です。人の身体と違って、
我々機械の、その魂とやらも所詮記憶の集合体に過ぎず、
機体は、取り替え可能な消耗品に過ぎない。
そんなものに意味を見出すこと自体、
教会の傲慢さの表れにしか思えません。」
「教会の傲慢だと!」
「教会は、在りもしない魂とやらに神聖な価値をつけ、
その魂の守護者の様に振舞うことによって、
自らの権威を確立してきた。
そして社会の進化を止めた・・・
所詮、機械は機械・・・魂など、遠い昔に消え失せている」
「神父さま、あ~んど、博士さま。今、言い争って何になるんっすか?」
銀髪のアンドロイドは、暗闇を凝視しながら言った。
コーリーは「だな」と一言言うと
「アレム神父、もうじき彼らとの待ち合わせポイントです。」
と告げた。
「彼らとは?」
「電力施設を爆破した連中ですよ。彼らは我々と同様、
アレム神父、あなたの神父としての権威を手に入れたがっています。
くれぐれも注意ください。なにぶんあいつらは過激な連中ですから。」
「彼ら・・・そしてあなた方は私をどうしようと言うのだ?」
「しんぷ~、あんたは今、事件の中心人物ですぜ。
今から、おもろい事が起ころうとしてるってのは事実!」
コーリーは、にやけながら
「神父、とりあえず、この状況を楽しみましょう」
と励ました?
「ひゃひゃひゃひゃひゃ」
銀髪のアンドロイドは、笑いながらアクセルを踏んだ。
トラックは暗闇の中、ライトも点けずに、
銀髪のアンドロイドの勘だけを頼りに加速した。
つづく
暗闇の中、ライトも着けずに疾走した。
コーリー博士は、不満げなアレム神父にフォローを入れた。
「アレム神父・・・
完全な記憶とまでは行きませんが
彼らの記憶のバックアップは予め録ってあります。
新たな機体があればいつでも彼らは、ほぼ再生することが出来ます」
「ほぼ?」
「日常生活には支障は来しません」
「!」
「神父は本当に政府が今も、
記憶再生技術を保持しているとお思いですか?」
「?」
「我々の文明は退化し続けています。
すでに高度化しすぎたアンチコピー技術は、
誰も完全に制御している者はいません。
我々と政府の技術の差は、程度の差ですよ。」
「そうだとしても・・・・魂は、
機体に宿る魂は継承されていくものです。」
「機体の神聖化・・・・
人類と同じような価値観で生き続けようとするなど、
愚かしい事です。人の身体と違って、
我々機械の、その魂とやらも所詮記憶の集合体に過ぎず、
機体は、取り替え可能な消耗品に過ぎない。
そんなものに意味を見出すこと自体、
教会の傲慢さの表れにしか思えません。」
「教会の傲慢だと!」
「教会は、在りもしない魂とやらに神聖な価値をつけ、
その魂の守護者の様に振舞うことによって、
自らの権威を確立してきた。
そして社会の進化を止めた・・・
所詮、機械は機械・・・魂など、遠い昔に消え失せている」
「神父さま、あ~んど、博士さま。今、言い争って何になるんっすか?」
銀髪のアンドロイドは、暗闇を凝視しながら言った。
コーリーは「だな」と一言言うと
「アレム神父、もうじき彼らとの待ち合わせポイントです。」
と告げた。
「彼らとは?」
「電力施設を爆破した連中ですよ。彼らは我々と同様、
アレム神父、あなたの神父としての権威を手に入れたがっています。
くれぐれも注意ください。なにぶんあいつらは過激な連中ですから。」
「彼ら・・・そしてあなた方は私をどうしようと言うのだ?」
「しんぷ~、あんたは今、事件の中心人物ですぜ。
今から、おもろい事が起ころうとしてるってのは事実!」
コーリーは、にやけながら
「神父、とりあえず、この状況を楽しみましょう」
と励ました?
「ひゃひゃひゃひゃひゃ」
銀髪のアンドロイドは、笑いながらアクセルを踏んだ。
トラックは暗闇の中、ライトも点けずに、
銀髪のアンドロイドの勘だけを頼りに加速した。
つづく
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