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1章 黄昏の始まり
12話 壊れた機械たち
しおりを挟むハミルは指令車両に戻り、
運転手に追うように命じたが、
車のエンジンは微動だにしなかった。
ハミルは車の壁に怒りをぶちつけた。
逃亡中のトラックの運転席で、
銀色の髪の大型作業員とコーリー博士は、
「イエー!」
と叫び子どもの様にはしゃいだ。
対してアレム神父は、はしゃぐ気にはなれなかった。
「天文台の職員は大丈夫なのですか?」
「彼らなら何とかするでしょう。ね♪コーリー博士」
「そう、神父様はちょっと人道的過ぎです」
「機械なのにね。ひゃひゃひゃひゃひゃ、
何かをやり遂げるためには、犠牲は必要ですぜ。神父」
銀髪は明るく言った。
「あなた方は・・・!」
アレム神父は、記憶装置の奥から怒りがこみ上げた。
コーリー博士は、アレム神父を見て面白そうに笑った。
「さあ、銀髪君、仕上げだ」
「内務省のポンコツ!」
銀髪が叫ぶと同時に、天文台のドームが爆発を起こし吹き飛んだ。
「ひゃほー、証拠隠滅完了です!」
「これで私の職場もなくなったか・・・いい職場だったのに」
「何かをやり遂げるためには、犠牲が必要でずぜ。博士」
アレム神父は背後の天文台の爆発を唖然と見つめた。
「あなた方は心が壊れている。」
「俺もその意見に、同意しますぜ、神父。
特にこの博士の壊れ様は!ひゃひゃひゃひゃひゃ」
「私の心が壊れてるだと!銀髪!失敬だぞ!
お前は言っていい事と、言っては行けないことの区別も着かんのか!」
「あれ、博士お怒り?」
「私の心は壊れてなどいない、
心なんて、5000年前に無くしたよ」
「ふっ・・・俺ら機械ですもんね。」
つづく
毎週、土曜日更新です♪
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