10 / 85
1章 妖精のお姫様
第10話 温泉好きには必須だよね。
しおりを挟む
もし、学校からの帰り道に突然、
黄金の甲冑を着た巨大ロボットが現れて、
コックピットから現れた美しいお姫さまから、
「さあ乗って♪」
と言われたとしても、思惟は断っていたはずだ。
例え黄金の甲冑に、どんなに歴女萌えしたとしても、
それは同じだ。
思惟は、そんなに軽い女じゃない。 (・∀・)キリッ
でも今の状況は・・・
離魂・・・
美しい妖精の姫さま・・・
黄金の甲冑の巨大ロボット・・・
「・・・・そう・・・これは夢だ!」
と、思惟は結論づけた。
そう結論づけすると、なんか気分が楽になった。
思惟と姫さまを乗せた武者の手は、
ゆっくり上昇して、胸の前で止まり、
胸部コクピットのハッチが開いた。
「さあ、おいで」
妖精の姫さまに言われて、思惟はコックピットの中に入った。
コックピットは、白磁の様な素材で覆われており、
操縦桿らしきものも、白くまるで芸術品の様に美しかった。
「ちょっと待っててね、今、面白いもの見せるから」
姫さまは、陶器で出来た椅子に座り、ハッチを閉めた。
2人だけの密室は、客室の内風呂と同じくらいの広さだった。
「行くよ♪」
姫さまが、そう言うと、蛇口ぽい穴から、温水があふれてきた。
「えっえっえっ」
「大丈夫よ。あたし専用の温泉付きコックピット♪」
「えーーーー!」
「だってほら、操縦中に温泉に入りたくなったりするじゃん、
だからメカニックに頼んで付けてもらったの♪
温泉好きには必須だよね。温泉付きコックピットって」
なんて我儘な姫さまだ!
操縦中くらい我慢しなよ!
「ちゃぷちゃぷしながら、戦闘指揮が出来るのよ」
「ん?」
ちゃぷちゃぷ・・・・は良いとして、戦闘指揮って何だろう?
「戦闘指揮って?戦闘するの?」
「ん?」
姫さまは首をかしげた。
その仕草は、可愛かったが・・・それはそれ!
「戦闘って、誰かと戦ってるんですか?」
「誰かって・・・とりあえず温泉に浸かって・・・気持ちいいよ」
姫さまに言われて、思惟は浴室と化したコックピットに腰を降ろした。
乳白色のお湯は、ちょうど良い湯量になると止まった。
お肌に優しいしっとりとした泉質だった。
、
乳白色に染まるんじゃないかと思うほど、
お湯が肌に沁みこんできた。
「これは、絶対お肌すべすべになる!」と、
思惟は心の中だけで、歓喜した。
でも今は魂だけの存在。
あの大きな方の思惟のお肌には関係ないかも(溜息)
いやいや、今はそんな事を考えている場合じゃない!
思惟は心を引き締めた。
姫さまは真剣表情で思惟を見つめた。
「敵・・・この街の状況は知ってるね」
つづく
黄金の甲冑を着た巨大ロボットが現れて、
コックピットから現れた美しいお姫さまから、
「さあ乗って♪」
と言われたとしても、思惟は断っていたはずだ。
例え黄金の甲冑に、どんなに歴女萌えしたとしても、
それは同じだ。
思惟は、そんなに軽い女じゃない。 (・∀・)キリッ
でも今の状況は・・・
離魂・・・
美しい妖精の姫さま・・・
黄金の甲冑の巨大ロボット・・・
「・・・・そう・・・これは夢だ!」
と、思惟は結論づけた。
そう結論づけすると、なんか気分が楽になった。
思惟と姫さまを乗せた武者の手は、
ゆっくり上昇して、胸の前で止まり、
胸部コクピットのハッチが開いた。
「さあ、おいで」
妖精の姫さまに言われて、思惟はコックピットの中に入った。
コックピットは、白磁の様な素材で覆われており、
操縦桿らしきものも、白くまるで芸術品の様に美しかった。
「ちょっと待っててね、今、面白いもの見せるから」
姫さまは、陶器で出来た椅子に座り、ハッチを閉めた。
2人だけの密室は、客室の内風呂と同じくらいの広さだった。
「行くよ♪」
姫さまが、そう言うと、蛇口ぽい穴から、温水があふれてきた。
「えっえっえっ」
「大丈夫よ。あたし専用の温泉付きコックピット♪」
「えーーーー!」
「だってほら、操縦中に温泉に入りたくなったりするじゃん、
だからメカニックに頼んで付けてもらったの♪
温泉好きには必須だよね。温泉付きコックピットって」
なんて我儘な姫さまだ!
操縦中くらい我慢しなよ!
「ちゃぷちゃぷしながら、戦闘指揮が出来るのよ」
「ん?」
ちゃぷちゃぷ・・・・は良いとして、戦闘指揮って何だろう?
「戦闘指揮って?戦闘するの?」
「ん?」
姫さまは首をかしげた。
その仕草は、可愛かったが・・・それはそれ!
「戦闘って、誰かと戦ってるんですか?」
「誰かって・・・とりあえず温泉に浸かって・・・気持ちいいよ」
姫さまに言われて、思惟は浴室と化したコックピットに腰を降ろした。
乳白色のお湯は、ちょうど良い湯量になると止まった。
お肌に優しいしっとりとした泉質だった。
、
乳白色に染まるんじゃないかと思うほど、
お湯が肌に沁みこんできた。
「これは、絶対お肌すべすべになる!」と、
思惟は心の中だけで、歓喜した。
でも今は魂だけの存在。
あの大きな方の思惟のお肌には関係ないかも(溜息)
いやいや、今はそんな事を考えている場合じゃない!
思惟は心を引き締めた。
姫さまは真剣表情で思惟を見つめた。
「敵・・・この街の状況は知ってるね」
つづく
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる