思惟ちゃんと式神的な巨大ロボット

健野屋文乃(たけのやふみの)

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4章 シルスの冒険

13話 火薬の匂いの中で・・・

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神将級燎の胸部ハッチが開くと、
火薬の匂いと焦げた匂いがした。

姫様に誘われて、ニッキ―はコックピットから出た。

辺りは山火事の跡ような光景が広がり、
街のある方角には、琥珀色の壁が高層ビルのように聳えていた。
街を守っているこの結界は、
ドーム球場の様に、街を覆っているはずだ。

その琥珀色の結界に、
緑色のカーフェリーの様な箱が突き刺さっている。

すでにあちこちから、妖精の工兵隊が出てきて、
その緑色の箱の解体作業を開始していた。


神将級・燎は、式神のむつみと伴に、その緑色の箱の中に入った。

緑色の箱の向こうには、琥珀色の結界に遮られることもなく、
見慣れた街が見えた。

「このトンネルで結界を無効に出来るわけね」

人間サイズの式神むつみが答えた。
妖精サイズのニッキーから、見るとかなり大きい。

「困りましたね」
「困りましたね」

姫様が言うと、むつみも言葉を重ねた。

「でも、今回幾つかの成果があるとすれば、
生きたまま敵を捕らえることが出来たって事ですかね」

もち肌なむつみが説明すると、
緑色の箱から、銀色の有翼武者が、
捕らえた生きたままの敵兵を連れてきた。

生きた敵兵は、2本の足と2本の腕があり、
ヒューマノイドなのだが、顔は蟻だった。

「何者かが、
蟻の遺伝子を弄って人工的に作り出した者なのか、
もしくは蟻が急激に進化した者なのか・・・」

もち肌なむつみが説明を続けた。

「蟻ってこんな顔してたんだー」
姫様は子供の様に感心した。




つづく 毎週、日曜日更新です\(^▽^)/

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